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ACLで柏を蹂躙、セレソンの脅威。圧巻だった広州MFパウリーニョ

text by 編集部 photo by Dan Orlowitz

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圧巻のプレーを見せたパウリーニョ【写真:ダン・オロウィッツ】

【柏レイソル 1-3 広州恒大 ACL準々決勝1stレグ】

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝の1stレグが25日に行われ、柏レイソルはホームで広州恒大と対戦、1-3で敗れた。

 スコア、内容ともに完敗と言っていい試合だったが、中でも圧巻だったのは広州のMFパウリーニョだ。2013年のコンフェデ(優勝)、2014年W杯(4位)のブラジル代表の一員だったボランチは、今年夏、トッテナム・ホットスパーから広州へと移籍してきた。

 一番の衝撃は40分に決めた直接フリーキックだ。右足を力強く振り抜くと、ボールは右へと曲がりながら、ゴールへ突き刺さった。一歩も動けなかった柏のGK菅野孝憲は「そうですね……いいシュートでした。もうちょっと対応したかった」と悔しさを滲ませた。

 FW工藤壮人も「1年に1回あるかないぐらいかのシュートをこの場面で出てしまう、やはり素晴らしい選手」と絶賛する。

 本人はいたって謙虚だ。「こんな素晴らしいゴールを成功して本当に嬉しい。チームにとって大切な1点だった。(FKは)僕の仕事ではない。でも、試合の流れや調子、状況を見て“行ける”と思ったので蹴った。僕の人生の中で最も美しいゴール」と試合後に語った。

 また、それだけではない。柏の選手2人を抑えこんでボールをキープしたかと思えば、チャンスと見るや前線にどんどんと顔を出し、攻撃に厚みを持たせた。試合序盤、右サイドバックのジャン・リンポンが負傷でピッチ外へ出るとすかさずそこをカバーし、数的不利のチームのバランスをとった。

 本来のポジションに戻ってからは味方に指示を出し続け、中盤での攻防戦を優位に進めるなど、セレソンのボランチとしての実力を遺憾なく発揮。攻守にわたって柏に隙を与えなかった。

 2ndレグは来月15日にアウェイの地・広州で行われる。逆転突破には最低でも3点が必要な柏だが、この日蹂躙されたパウリーニョが大きな壁となった立ち塞がることは間違いない。

【了】

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