【西部の目】ハリルJ不完全燃焼の理由。カンボジア戦で見えた戦術と人選のズレ

日本代表は3日、ロシアワールドカップのアジア二次予選でカンボジア代表と対戦し、3-0で勝利を収めた。格下相手に一方的な展開で試合を終始支配した日本代表だったが、西部謙司氏はヴァイッド・ハリルホジッチ監督の戦術と人選にズレがあったと指摘している。

2015年09月04日(Fri)10時51分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
Tags: , , , , ,

露呈した『戦術と人選のズレ』

【西部の目】ハリルJ不完全燃焼の理由。カンボジア戦で見えた戦術と人選のズレ
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 34本もシュートを打って3ゴールはやはり物足りない。試合の形は引き分けたシンガポール戦とまったく同じ。カンボジアはシンガポールより弱く、攻撃する意志もなかった。完全なワンサイドゲームで、引きこもっている相手からいかに得点するかのトレーニングのようなゲームである。

 不思議なのは、ハリルホジッチ監督の作戦と選手起用のズレだ。

 日本は立ち上がりからハイクロスをカンボジアのゴール前へ打ち込み、その後も執拗にハイクロスを上げている。監督の指示に違いない。ザッケローニ監督時代には、ハーフナー・マイクを起用した試合でさえハイクロスを多用しなかった日本が、今回はそうではなかった。監督の指示が徹底していたからだろう。

 ファーサイドのゴールエリア角、そこへのハイクロスを何度も狙っていたが、多くは跳ね返された。シュートしても枠に飛んでいない。

「クロスボールを何本も上げたが合わせるところが足りなかった。今日気がついたのは、しっかり合わせられなかったこと。ゾーンストラテジー(ゴール前の位置どり)など、伸ばしていきたい」(ハリルホジッチ監督)

 あそこまで引かれると崩しきるのは簡単ではない。高さとパワーでハイクロスをねじ込めれば、それが一番シンプルな点の取り方になる。間違ったアプローチではない。しかし、それならなぜこのメンバーなのか。なぜハイクロスに強い豊田陽平やハーフナーのようなFWを招集しなかったのか。

1 2 3

新着記事

↑top