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孤立する乾、連動するネイマールとスアレス。勝負を分けた“非エゴイスト”の連係力

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

乾に求められる絶対的FWバストンとの連係

孤立する乾、連動するネイマールとスアレス。勝負を分けた“非エゴイスト”の連係力
現状、乾貴士は味方からボールを満足に受けることができていないといえる【写真:Getty Images】

 しかし、その別の能力を発揮できているかといえば、否となる。この日、78分で退いた乾がボールに触れた回数は17回。53分で退いたヴェルディよりも前半45分で退いたダニ・ガルシアよりも少なく、その2人と交代で入ったエディ・パスクアルよりもセルゲイ・エンリッヒよりも少ない。

 現状、乾は味方からボールを満足に受けることができていないといえる。これは、乾がチームに求められているポジションに入ることが出来ていないこと、そして何よりも味方から信用・信頼を得られていないことが原因だろう。

“連係”というのは技術的なことはもちろん、メンタル面も重要となる。スポーツに限らず、学校や仕事など組織ではお互いの人間性を知り、受け入れることで連係が深まりチームプレーの質が向上するもの。

 今後、エイバルが勝ち点を積み重ね、残留という目標を達成するためには乾がチームメイトに受け入れられ、連係を深めることは不可欠だ。

 エイバルには、この試合で5試合連続となる今季6得点目を決めたボルハ・バストンという絶対的FWがいる。彼との相互理解を深めることで良きコンビとなることが乾がスペインに名を刻む鍵となるだろう。

【了】

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