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Jリーグ 8年前

鹿島の次世代担う昌子源。“常勝軍団”復活へ、若きDFリーダーが背負う使命感と覚悟

text by 藤江直人 photo by Getty Images

“常勝軍団”で戦う使命感と覚悟を背負う昌子

鹿島の次世代担う昌子源。“常勝軍団”復活へ、若きDFリーダーが背負う使命感と覚悟
鹿島はナビスコ杯史上最多の6度目の優勝を果たした【写真:Getty Images】

 昨シーズンから公式戦で4連敗を喫していたガンバを、攻守両面で凌駕した直後。左足甲の骨折で戦列を離れている同期入団のMF土居聖真の「8」番が記されたユニフォーム姿で、昌子はチームメイトたちと喜びを分かち合った。

 全治から逆算すると、元日の天皇杯決勝には間に合う。土居自身も「絶対に戻るから」と昌子たちに勝利を託して治療に臨んでいたが、アントラーズは水戸ホーリーホックにPK戦の末に涙を飲み、まさかの3回戦敗退を喫してしまった。

「天皇杯を僕たちがなくしてしまったことが、すごく申し訳なくて。そういう気持ちも込めて、今日は聖真のためにも戦おうと決めていました」

 クレバーかつ冷静に、ときには激しく、熱くプレーするだけではない。神戸出身の昌子の心には、義理人情に厚い浪花節も脈打っている。そして、名門クラブを背負っていく使命感と覚悟も。

 決勝を観戦に訪れていた秋田豊氏から、試合後に「今日は完璧だったぞ」と声をかけられた。聞き逃してしまいがちな一文字の違いに、昌子は苦笑いを隠せない。

「今日も、じゃないんですよね。今日は、としか言われていないので」

 どんな状況でも常にベストのパフォーマンスを求められる宿命をエネルギーに代えながら、昌子は成長への歩を止めることなく、貪欲に前進していく。

【了】

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