天皇杯元日決勝がもたらす弊害。拭えぬ不公平感、オフ期間に2ヶ月差がつくことも

2015年12月29日(Tue)9時01分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「秋春制への移行」という劇的な解決策

天皇杯元日決勝がもたらす弊害。拭えぬ不公平感、オフ期間が2ヶ月差がつくことも
JFAの田嶋幸三副会長【写真:Getty Images】

 抱えている大きな問題を劇的に解消させる手段のひとつに、シーズン制の移行がある。現状の「春開幕・冬閉幕」を、ヨーロッパに合わせて「秋開幕・春閉幕」とし、天皇杯のスケジュール全体も春に決勝を開催する形でずらす。

 あくまでも天皇杯にグレードをもたせたいのであれば、FAカップ決勝でシーズンが閉幕するイングランドのように、チャンピオンシップ終了の直後に天皇杯決勝を開催してシーズン閉幕とすればいい。

 日本サッカー協会は2010年9月の理事会で、協会内に「大会スケジュール改革プロジェクト」を発足させている。田嶋幸三副会長をリーダーに、日本協会の理事に加えてJリーグの幹部たちも名前を連ね、国際サッカー連盟(FIFA)とAFC、国内競技会(Jリーグ及びJFL)のカレンダーを再検証した。

 約1年間の議論を経て、「Jリーグを8月中旬から翌年5月まで開催し、天皇杯決勝も5月にずらす」という答申案が日本協会の理事会に提出されている。この形ならば選手の休養がしっかりと確保され、国際移籍に関する国内カレンダーと国際カレンダーの「ずれ」も解消される。

 しかし、積雪地域のクラブが答申案に反対したことで、その後の議論はなかなか進んでいない。答申案は1月及び2月をウインターブレークとしたが、それでも「近年は12月や3月も降雪する」と反対論は根強い。その際のインフラ整備が進んでいないことや、シーズン再開前の練習が困難となるのが主な理由だ。

 インフラ整備はクラブだけではまかなえない。クラブが求心的な役割を率先して担い、自治体や地元企業などを巻き込んでいかなければいけない。同時進行で、Jリーグと日本サッカー協会ももっと突っ込んだ議論をしていくことが求められるはずだ。この点に関して、村井チェアマンはこう言及した。

「Jリーグだけで決定できるものではないので、今後は日本サッカー協会の新会長を含めて、天皇杯組織委員会などと継続して話し合っていくテーマだと思っています」

 JリーグのJ1・J2合同実行委員会は2013年6月、シーズンの秋春制へ「然るべき時期に以降する」ことを全会一致で承認している。全会一致ということは、降雪地域のクラブも含まれている。選手を第一に考えれば、定義が曖昧となった「然るべき時期」に、すでに差し掛かっているのではないだろうか。

【了】

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