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欧州でゼロからのクラブづくり FCバサラマインツの挑戦【03】選手に家探しをさせる理由

日本代表・岡崎慎司が創設に携わったFCバサラマインツ。現在ドイツ10部に属するクラブは、創設にはどのような想いがあり、そして、そこで働くスタッフは何を感じているのか。欧州でゼロからクラブをつくっていく様子を、現役スタッフが現地よりお伝えします(不定期連載です)。

シリーズ:FCバサラマインツの挑戦 text by FC Basara Mainz photo by FC Basara Mainz

選手たちはどこに住むのか?

FC Basara Mainz(FCバサラマインツ)
FCバサラマインツ【写真:FC Basara Mainz】

 こんにちは、FC Basara Mainz(FCバサラマインツ)スタッフの小林遼平です。昨年より「海外クラブで働くスタッフ日記」をご紹介させて頂いています。本連載を通して、少しでもFC Basara Mainzについて、ドイツのアマチュアクラブ運営について、皆様に知って頂ければと思います。

 さて、今号では選手の普段の生活についてご紹介します。FC Basara Mainzには現在、7名の日本人選手が在籍しています。内、3名が選手寮(シェアハウス)に住んでいます。この寮は日本から来た選手たちが、現地で家を見つけるまでの一時的な拠点として使われています。

 ドイツの若者は一般的に家賃も敷居も低いWG(ヴェーゲー:ヴォーン・ゲマインザムシャフト)、日本で言うところのシェアハウスを借りて暮らしています。ここで住むには、大学構内やスーパーマーケット内の掲示板にある貼り紙、もしくはWG専門のウェブサイトから貸主と直接連絡を取り、部屋の内見と交渉を経て貸主から賃貸許可をもらう必要があります。

 バサラマインツでは、部屋探しから内見や交渉、最終的な決断まで全てを選手本人に行ってもらっています。それは選手の自立を促し、今後も続く海外でのサッカー生活で通用するスキルを身につけてもらうためです。私たちスタッフは選手が作成した貸主宛のメールのドイツ語を添削や、返信メールの翻訳サポートなどを行い、あくまで選手主体の姿勢を貫いています。

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