大儀見優季が吐露した本音。“サッカーを語らない”メディアへの疑問。問われる報道姿勢

2016年03月22日(Tue)16時45分配信

text by 小澤一郎 photo Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images
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発言者の意にそぐわないコメントの切り取り方

大儀見は21日に最終予選終了後はじめてブログを更新した
大儀見は21日に最終予選終了後はじめてブログを更新した。(画像はブログより)

 イベント終了後の深夜便でドイツに戻った大儀見だが、「心身ともにズタボロです」と冗談まじりに話していた通り、しばらくはSNSやブログを見る気力も勇気もなかったに違いない。しかし、21日にアジア最終予選終了後初となるブログの更新を行なっている。

 その更新を受けて『デイリースポーツ』はすぐさま「大儀見、リオ予選中体調不良だった」という見出しの記事を配信した。大儀見はブログに一言も「体調不良」と書いていないし、実際に体調不良などではなかった。

 きちんと試合を取材していれば明らかだったが、10日間で5試合という連戦のなか、毎試合あれだけ前線で攻守にスプリントをかければ、肉体の限界を超えるのは普通のこと。実際、最終戦となる第5戦北朝鮮の前半で大儀見は内転筋を痛め、明らかにそれを気にした形で後半もプレーしていた。

 だからこそ、「最後の試合は、肉体の限界はとうに超えていた感じで かろうじて精神が肉体を引っ張っていた、そんな感覚でした」、「ようやく、少しずつ身体が正常に戻りつつあります」というブログの内容から恣意的に「体調不良」という見出しを付け、リオ五輪出場を逃した結果に対する言い訳のように見せるデイリースポーツの手法はかなり悪質なもの。それもあってか大儀見は切り取られたブログの箇所に修正を加えている。

 こうした記者は間違いなく、大会中も宮間や大儀見に面と向かって直接質問せず、ミックスゾーンで囲み取材を受ける選手のコメントを後方から盗み聞きするかのように拾っていたに違いない。

 あるいは選手コメントを記者仲間と共有する「読み合わせ」と呼ばれる手法でコメントを入手し、自らの記事内容に合わせるよう前後の文脈を無視して切り取った一部コメントを使っていく。そこには誠実にメディア対応する選手へのリスペクトもなければ、報道やサッカーに携わる者としての矜持もない。

 ブログ内で大儀見は「ちゃんと伝わることもあれば、誤解されることもある。それはそれで、自分の未熟さとしてしっかりと受け止めています」と気丈なコメントを残している。だが、SNSを見ることが「怖くて……」という本音を明かしていることからもわかる通り、一連のゴシップ記事や悪意あるコメントの使われ方に深く心を痛めたのは想像に難くない。

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