大儀見優季が吐露した本音。“サッカーを語らない”メディアへの疑問。問われる報道姿勢

2016年03月22日(Tue)16時45分配信

text by 小澤一郎 photo Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images
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なでしこジャパンに足りなかった“個の質”

 選手やポジションによって「上げるべき個の質」の要素は変わってくるが、例えばこの1年、佐々木監督がロングボールを有効利用するべく選手一人一人のプレーエリアを広げる戦略を採った時に、技術、戦術、フィジカルの3要素でそのオーダーに応えることができたのは筆者の評価の中では大儀見優季、熊谷紗希、宇津木瑠美の3選手のみ。

 個人名を挙げて申し訳ないが、DF岩清水梓がDFラインを後ろに引っ張ってしまう現象はカナダの女子W杯でも初戦のスイス戦から出ており、一方で自陣深い位置までラインが下がった時の岩清水は前線にスピードと正確性を持ったロングパスを配球できない。そうなると必然的に高い位置での起点作りの戦術は成立しなくなる。

 韓国との第2戦で岩清水に代わって右センターバックに起用された田中明日菜は「前線の動きとスペースを認知する」という面では岩清水より多少秀でていたが、トップ下の宮間がスペースを空け、マーカーを振り切って空いたスペースにタイミングよく走りこむ大儀見を認知しながらもロングパスを入れることができなかった。

 結局のところ、この2選手は佐々木監督が求めるセンターバックとしての長いパスのレンジを技術として習得していなかったということ。それは昨年の女子W杯から個人の課題として明らかに出ていたことであるが、それを数ヶ月も同じ状態で放置していたということになる。

 これはあくまで「個の質を上げてこなかった」という一例であり、二人が今大会の敗因ではない。他の選手、たとえば大儀見にも個人としての課題は見えた。大会直前でアウトカーブのシュートに磨きをかけ自信を深めたことでインカーブの方がベターな場面でもアウトカーブのシュートに固執し、枠外に飛ばしてしまう場面が複数回あった。

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