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本田圭佑 8年前

本田圭佑、復活までの道のり。先発落ち、監督からの冷遇も乗り越え…ミランで残した“実直性”という爪痕

text by 神尾光臣 photo by Getty Images , Dan Orlowitz

本田がミランに残した爪痕とは

本田
アフガニスタン戦で出場のなかった本田はシリア戦で“実直な”プレーを見せられるか【写真:ダン・オロウィッツ】

 そこからは不動のスタメンとして活躍する。継続して献身的なプレーを行うことで、チームメイトの信頼も得てパスを多くつけられるようになる。そうして、プレー内容は試合を追うごとに向上していった。

 フロジノーネ戦を含めたリーグ戦14試合で1得点4アシスト。その他の試合でも本田はゴールの展開に絡み、1試合に必ずひとつは決定的なチャンスを演出していた。チェルチやスソの移籍により、右サイドが事実上一人となったためカップ戦にも温存されることなく出場したが、そこでも得点に絡み続けた。

 その間の下支えになったものが、繰り返しになるがやはり戦術に沿ったハードワークだ。攻め上がる右SBアバーテをフォローして、後方のカバーリングに入る。絞って中盤のフォローにも入り、攻撃が入れ替われば積極的に縦へ走った。スタッツを見ると、ほぼ毎試合で本田のスプリント合計距離は1kmを超えた。

 今振り返れば、こういったハードワークを本田は、出場時間が短かった試合でも心掛けていた。その姿勢がミハイロビッチ監督の目に適ったのだろう。「ミランのために自分が何とか爪痕を残そうとした時に、自分の特徴を活かすプレーに戻っているだけ」と彼は語っていたが、この実直性がミランにおける自身のストロングポイント。そしてチームを勝たせるために心掛けているプレーだ。

 その流れをミランで掴んでから、今回が初めての代表招集。29日のシリア戦に出ることがあれば、ミランでの実直なプレーをどこまで代表に還元できるか
にも注目したい。

(文:神尾光臣)

【了】

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