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CLベスト8、1stレグ。V候補バイエルンに潜む危機感と左サイドを切り裂くベンフィカの10番

今季のチャンピオンズリーグ(CL)もベスト8に突入。ジョゼップ・グアルディオラ監督がシーズン後の退任を表明している優勝候補バイエルンにとっては通過点に過ぎない。しかし、誰もが圧倒的勝利を予想する一方で拭えない不安もある。その理由とは…。(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

公式戦4連勝も消化不良が続くバイエルン

バイエルン
現在のバイエルンは付け入る隙がないかというと、必ずしもそうとは言えない【写真:Getty Images】

 現地時間5日に行われるチャンピオンズリーグ、ベスト8の1stレグ。今季も優勝候補筆頭に挙げられているバイエルンは、ホームにポルトガルのベンフィカを迎える。

 この一戦は当然ながら、圧倒的バイエルンの有利と考えられる。ブックメーカーのウィリアム・ヒル社のオッズを見ても、バイエルン1.17倍、ドロー5.50倍、ベンフィカ12倍とホームチームの勝利はかたいことを示している。

 実際、今季のバイエルンはブンデスリーガではホーム14試合で13勝1敗、44得点6失点。チャンピオンズリーグではホーム4試合で4戦全勝。直近のユベントス戦では、0-2から追いつき延長戦で逆転勝利を手にする勝負強さを発揮した。

 ただ、現在のバイエルンは付け入る隙がないかというと、必ずしもそうとは言えない。

 バイエルンは、3月2日のマインツ戦を1-2で落とし、続く5日のドルトムント戦を0-0の引き分けで終えて以降、公式戦4連勝を記録しているが、内容的には苦しい展開を強いられている。

 前述したユベントス戦では勝負強さを発揮はしたが、前半はユベントスの積極的な姿勢でカウンターを狙うゲームプランの前に沈黙した。この試合ではキングスレイ・コマンの投入が戦況を変えたが、薄氷の勝利だったことは否めない。

 さらに、その後のケルン戦、フランクフルト戦ともに1-0の勝利。アウェイでのケルン戦では74.6%という高い支配率を記録しながらシュート数は同じ6本。開始9分にレバンドフスキが決めたゴールで勝利を手にしたが、消化不良気味に終わった。

 そして、フランクフルト戦では支配率65.2%、シュート数21本:4本と圧倒的に攻め込み、19分にはリベリの巧みなシュートで先制したものの1点どまり。やはり消化不良に終わった。

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