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本田圭佑 8年前

本田、意気消沈のチームで孤軍奮闘。体たらくのミランはファンから罵倒…監督更迭は何の意味があったのか?

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

結局は4-4-2へ。監督更迭は何の意味があったのか?

シニシャ・ミハイロビッチ
解任されたシニシャ・ミハイロビッチ前監督【写真:Getty Images】

 それにしても最終戦のミランは、チーム全体として無気力ぶりが目立ち、戦術以前にチームの体をなしていなかった。ブロッキ監督もその辺りが非常に気になったようで、「ローマのサッカーに対する反撃はとてもネガティブで、意欲も強引さにも欠けていた。ブーイングを浴びせるファンは正しかった」とおかんむり。

 そして人数が整っているにもかかわらずあっさり点を取られるような組織については「FWが助けずMF陣がポジションを上げなければああなる」と、ハードワークの欠如嘆いた。

 シニシャ・ミハイロビッチ前監督は「これまでのミランで最低のサッカーをしていた」とシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長になじられ、解任へと至った。だが彼が虚飾を廃した4-4-2で守備を固めるサッカーをしたのは、システムやポゼッション以前にチームとしてのコンパクトさが欠けていたからだ。

 そしてブロッキ監督も、現有戦力でこのチームを回転させるためのふさわしい方向を選択するようになっていた。

 故障から復帰し、コッパ・イタリア決勝をにらんで途中出場したジャコモ・ボナベントゥーラは左サイドハーフに入り、チームは4-4-2としてプレーした。結局この方向に回帰するなら、システム変更は何のためだったのか。そして何より、監督更迭に意味はあったのだろうか?

 今のミランは4-4-2でしか機能しないという結論なら、コッパ・イタリア決勝では本田とボナベントゥーラがポジションを争わず、両方起用される可能性も出てくるだろう。ユベントス相手には間違いなく厳しい試合になるはずだが、決勝までにチームとしての一体感を取り戻すことができるかが善戦の条件だ。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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