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本田圭佑 8年前

本田、王者ユーベ相手に“個”でも奮闘。伊杯決勝は敗戦も鬼気迫るプレー。垣間見えたミランの将来像

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

本田は攻守で奮闘。“個”でもチャンスを演出

本田圭佑
ハードワークでチームを支えた本田圭佑【写真:Getty Images】

 さて本田だが、彼のハードワークもそのようなムードの演出に役立っていた印象だ。

 高い位置では対面のジョルジョ・キエッリーニにプレスを掛け、引いて守る際は中盤の右サイドをカバー。そして右サイドを中心にクツカやSBのダビデ・カラブリアに接近したポジションを取り、シンプルにパスをつないでボールを動かした。

 その一方で“個”としても、ユベントスに勇敢に抗う姿勢を見せた。本田が引き気味のポジションでボールを受ければユーベの中盤は素早く囲み、特にキエッリーニはラインをブレイクして当たってくる。

 またサイドに抜ければ、パトリス・エブラがすぐにカバーに入ってくる。序盤は手を焼いたが、時間の経過ともに慣れてくる。キエッリーニを背負いながらパスをつないだり、またファウルをもらったりするようなシーンが増えていった。

 そして前半39分、右サイドから仕掛けた本田は、ゴール中央へ走り込んだポーリを正確に見てパス。しかしポーリのシュートは上に浮いてしまった。

 さらに後半になると、サイドで相手を振り回すようになる。エブラが喰らいつけば、その裏にパスを流して味方を走らせる。またキエッリーニがチャージしてきても、充実したフィジカルで同様に耐えてボールを回す。中央に動いて相手をつり出し、右サイドを開けてカラブリアのオーバーラップも引き出す。アッレグリ監督は、最初の交代枠をこのサイドの修正に使っている。

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