「私にとってポゼッションはライバルを快適にするもの」。闘将シメオネのフットボール観【前編】

ハードワークでは括りきれない高質のチームを作り上げ、アトレティコをスペイン3強の一角に押し上げたディエゴ・シメオネ監督。そのフットボール観はどのようなものなのだろうか。カナル・プルス(スペイン)で2015年1月に放送され話題になったシメオネのロングインタビュー(聞き手:グスタボ・ロペス、フリオ・マルドナード“マルディーニ”)を、同放送局の許可を得て翻訳・編集しお届けする。(翻訳・編集:江間慎一郎/『欧州フットボール批評 special issue 02』より転載)

2016年05月25日(Wed)7時00分配信

シリーズ:闘将シメオネのフットボール観
text by 江間慎一郎 photo Getty Images
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実現が非常に困難なシメオネのインタビュー

 2013-14シーズンにアトレティコ・マドリーをリーガエスパニョーラ優勝、チャンピオンズリーグ決勝進出に導き、“時の人”となったディエゴ・シメオネ。投資ファンドのドイエン・グループがその肖像権を管理し始めたことによって、インタビュー取材が非常に困難なものとなり、そのほとんどはスポンサーや広告絡みで行われている。

 スペインの主要なスポーツ新聞でさえ、今季は1度許可が下りれば御の字という状況だ。そのため、血の通ったシメオネのインタビューは希少なものとなっているが、リーガの放映権を有するカナル・プルスが放送したそれはその類に含まれるものであった。

 このインタビューが行われたのは2014年末のクリスマスバケーションで、場所はシメオネの故郷ブエノス・アイレス。カナル・プルスの解説を務める元アルゼンチン代表MFグスタボ・ロペスの家で、グスタボの父親がアサード(アルゼンチンの焼肉料理)を振る舞いながら、グスタボ、スペインを代表するジャーナリストであるフリオ・マルドナード“マルディーニ”とシメオネが会話するという内容だ。

 この食事会にはリーベル・プレートでプロデビューを果たした長男ジオバニら、シメオネの息子たちも同席しており、食事をしながら語るチョロ(シメオネの愛称)の顔つきは、素のものに近い。「試合から試合へ」「いつだって信じなければならない」「努力は絶対に裏切らない」といった“チョリスモ(シメオネ主義)”を代表する名言も、より噛み砕かれた言葉で語られている。

 グスタボの何気ない語り口や、冗談とともに始まるこの食事会は、徐々にシメオネが信じるフットボールの本質へと迫っていく……。

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