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EURO2016 8年前

イングランド対ウェールズ、母国が辿った歴史的背景。EUROで演じた「約束されたドラマ」【東本貢司の眼識】

シリーズ:東本貢司の眼識 text by 東本貢司 photo by Getty Images

妄想かきたてる最終戦の行方

ホジソン
イングランド代表のロイ・ホジソン監督【写真:Getty Images】

 と、結果はすでにご存じのとおり。おそらく、第一戦(対ロシア)では期待以上の動きを披露したスターリングがまるで“場違い”に見えたことも、ケインに対する失望とともに、ごく自然な決断理由になったとは思う。が、だとしても、まさかハーフタイム明けにヴァーディーのみならずスタリッジまで解き放ってしまうとは、ちょっと見直したぞ、ロイ・ホジソン。

 ロシア戦があまりにも「消極的」に思えたからにはなおさらだ。もちろん、この両名が揃ってスコアシートに名を連ねることになるとは、ホジソン老とて考えもしなかったろう。だから、ベイルの超ロング炸裂弾と併せて「約束されたドラマ」なのである。

 来る最終スロヴァキア戦を筆者ならこう予想する。ホジソンのことだ。このままヴァーディーとスタリッジの先発2トップなんて“素人考え”はうっちゃって見せるだろう。どちらかのワントップ、多分スタリッジでスタートし、ここぞという局面でヴァーディー投入で勝負に出る。いや、それともヴァーディーを左寄りのトップ下で頭からぶつけるか。

 そう、そんな“妄想”の楽しみが俄然増えたということだ。それと、しごく好調で安定感抜群、アイディアも冴えているララーナは今後も外せない。真のキーマンはこの男だ。

 ウェールズ・シンパでもあるからには、こちらのロシア戦対策にも少し触れておきたい。なに、イングランド戦同様、相手を攻めさせてじっくりチャンスを待てばそれでいい。

 あえて予想を一つ付け加えておこうか。今回はベイルの十八番がきっと出る。ハーフライン手前から怒涛のドリブルがスタンドを総立ちさせ、最後は圧巻のゴールが炸裂する! もっとも、そう何もかもがすべてうまく運ばないのが、スポーツの醍醐味でもあるのだが。

(文:東本貢司)

【了】

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