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Jリーグ 8年前

帰ってきたエスクデロ、ハリルJの秘密兵器か。韓国と中国で研鑚積んだ規格外のパワーFW

text by 藤江直人 photo by Getty Images

思い描いた道を全力で、かつ最短距離で

日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 父セルヒオ・エスクデロがJリーグの黎明期にレッズでプレーし、引退後も育成組織の指導に関わった関係で、3歳からの5年間を日本ですごした。

 多感な幼少期に芽生えた日本代表入りへの想いは、2000年の再来日、レッズでのJ1デビュー、登録名をエスクデロ・セルヒオから「エスクデロ競飛王」へ変えた2014年をへてさらに強くなった。

 もちろん、どれだけラブコールを届けても、現時点ではハリルジャパンの構想に入っていないことはわかっている。だからこそ、現時点でなすべきことはひとつだけ。相手チームの関係者をして「次元が違う」と言わしめるプレーのレベルをさらにあげて、昨シーズンは17位に沈んだサンガを変貌させる。

「ここからが本当のスタート。サンガが去年何位だったのかを忘れちゃいけないし、まだ夢を見てもいけない。目の前の試合を戦いながら勝ち点3を積み重ねつつ、J1でも戦える『強いサンガ』を作り上げていく。そのためにも、優勝というものを経験しているスゲさん(GK菅野孝憲)や僕が、強いチームの雰囲気といったものを伝えていかないといけない」

 ちょっぴりハスキーで、それでいて流暢な日本語を発するエスクデロは「ビッグマウス」という言葉を連想させる。たとえば日本代表のMF本田圭佑(ACミラン)はあえて退路を断って自分自身にプレッシャーをかけることで、もちうるすべての力を発揮させるためにビッグマウスを連発してきた。

 エスクデロも然り。思い描いた道を全力で、かつ最短距離で突っ走っていきたいからこそ、忌憚のない言葉を連発する。代理人契約を結んでいる本田の兄・弘幸氏を通じて、ビッグマウスの“本家”とも自主トレなどで交流をもってきたことも、強靭なメンタルに影響を与えているのかもしれない。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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