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アジア 8年前

韓国代表は“走ってなんぼ”。強豪との欧州2連戦で取り戻した自分たちの色

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

大胆なメンバー変更で立ち直った韓国。”韓国のイブラ”が躍動

ソク・ヒョンジュン
“韓国のイブラ”ことソク・ヒョンジュン【写真:Getty Images】

 とはいえ、キム・ジンヒョン以外のメンバーの質も悪かった。攻撃の核として注目されたソン・フンミンは結果を残すことができず、後半に交代させられた。直後、タオルを投げるシーンはチーム全体に漂ったもどかしさの証拠でもあろう。スペイン相手に攻撃的な試合運びを試みた姿勢は称賛に値するが、選手たちの動きには課題が山積する結果となった。

 当然のことながら、4日後のチェコ戦(6月5日)を期待したファンはいなかった。シュティーリケ監督は大胆にメンバーを変更。引き続き先発したのは元FC東京のポリバレントなDFチャン・ヒョンスとソン・フンミン、チ・ドンウォンのみ。

 1トップには“韓国のズラタン・イブラヒモビッチ”こと期待の長身FWソク・ヒョンジュン(FCポルト)が立ち、キ・ソンヨンが抜けた中盤には元ヴィッセル神戸のキャプテン、チョン・ウヨンが出場した。そしてトップ下には6年ぶりに代表復帰した天才肌のMF、ユン・ビッカラム(イェンベン)が立ち、元京都のベテランDFカク・テヒ(アル・サード)も腕章を巻いた。

 期待値が低かっただけにこのメンバーはいい意味で期待を裏切った。特に前線からチェコのDFを強くプレスする動きはスペイン戦と同じチームとは思えぬレベルだった。

 左からの攻撃が多く、多少のバランス崩れは目立ったもののソク・ヒョンジュンが前線でチェコの長身DF軍団と粘り強くボールを競り、両サイドやトップ下にセカンドチャンスを与えようとした。そしてこの動きが試合を決定づけることになる。

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