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アジア 8年前

韓国代表は“走ってなんぼ”。強豪との欧州2連戦で取り戻した自分たちの色

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

欧州2連戦強豪との連戦でシュティーリケ監督が浸透させた“走る意識”

ウリ・シュテュリーケ
韓国代表監督のウリ・シュティーリケ【写真:Getty Images】

 前半、ソク・ヒョンジュンが得たフリーキックをユン・ビッカラムが誰も止められぬゾーンに叩き込み、先制。ワールドクラスのGKの1人であるペトル・チェフ(アーセナル)が手を伸ばしたが、軌道があまりにも素晴らしかった。
10分も経たぬうちに追加点が生まれた。再びユン・ビッカラムとソク・ヒョンジュンが輝いた。ソク・ヒョンジュンが中盤でトマス・ロシツキー(アーセナル)からボールをクレバーに奪取し、ユン・ビッカラムに。

 ボールを収めたユン・ビッカラムが素早く前線に飛び込むソク・ヒョンジュンに鮮やかなスルーを出すと、チェフと1対1になったソク・ヒョンジュンがそれこそ強力なシュートを決めた。

 後半に1点返されるもこれが決勝ゴールとなり、15年前に0-5に完敗しているチェコに勝利。スペイン戦の惨劇から短期間で雰囲気を覆した経験は今後生きてくるはずだ。

 しかし、この2連戦で最もはっきりした課題は“走る意識”がどれだけ勝利に影響するのか選手が理解しているかどうかである。もっと正確に言うと積極的に走りながら前線からプレスすることが、選手たちの意識に溶け込んでいるかどうかだ。

 スペイン戦の惨事でDFやGKから連発されたミスを嘆く声も多いが、全体的に選手の“走る意識”が足りなかったのも自明。中盤でイニエスタが自由自在にボールをさばいていたことを考えると、普段から鍛えられた、約束された守備を実践する意識が確実に足りなかった。

 監督が守備のラインを意図的に高く上げており、必然的に裏の空間が出ることは承知していたはずだが、前線からその空間を補う動きをしなければならないことを普段から選手たちに伝えなければならない。

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