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Jリーグ 8年前

鹿島が示した勝者のメンタリティ。主将・小笠原満男が積み上げた土台と、土居聖真が担う未来

鹿島アントラーズは、25日に行われたアビスパ福岡との試合に勝利し、1stステージ優勝を決めた。これまで数々のタイトルを獲得したきたキャプテンの小笠原満男は、この優勝に満足することなく、さらなる勝利を求めている。また、土居聖真はクラブの伝統を受け継ぐ存在となりそうだ。
(取材・文:今関飛駒)

text by 今関飛駒 photo by 田中伸弥 , Getty Images

主将・小笠原、1stステージ優勝も満足せず

鹿島
1stステージ優勝を遂げた鹿島アントラーズ【写真:田中伸弥】

「まだ1stステージを獲っただけなので、本当の意味でのタイトルとは言えないと思いますし、2ndステージも獲ってその先も勝っていくことが本当のタイトルだと思っているので、これに満足することなく勝ち進んでいけるように頑張りたい」

 鹿島アントラーズのキャプテン、小笠原満男はアビスパ福岡を下して1stステージ優勝を決めた試合の後、淡々と語った。

 相手の福岡は最下位でありながら前節に川崎フロンターレとドローを演じて首位から引きずり降ろしている。序盤の鹿島はミスが目立ち福岡にペースを握られるが、セットプレーから先制点を奪うと、その後は落ち着いた試合展開で相手の反撃を許さなかった。

 しかし、Jリーグの“常勝軍団”と呼ばれる彼らも、最後にリーグを制覇したのは2009年。その間にも去年のナビスコカップをはじめいくかのカップタイトルを掲げてきたが、彼らが本当に望むリーグタイトルは6年間も遠ざかっている。

「1stステージ優勝はJリーグ優勝とは思ってないので、年間で勝つことが本当の意味でのタイトルだと思います。すぐ1週間後には試合があるので、Jリーグタイトルという実感はないです」

 クラブに数々の功績をもたらした主将は、1stステージ優勝に浮かれることなく、その眼差しは次のタイトルへと向けられていた。

 小笠原は、取材を通して何度も「勝ちたい」という言葉を口にしていた。このチームで誰よりも多くの勝利を経験してきたが、この飽くなき勝利への探求心が満たされることはない。

 鹿島は常に“勝利”という結果を逆算したサッカーを見せる。それこそがこのチームの真髄でもあるのだ。この試合の小笠原も決して派手なプレーではなかったが、常に周りの選手に声をかけてゲームをコントロールしていた。

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