フランス戦はゴメス欠場。“偽9番”は時代遅れか
もう“偽9番”は古いのだろうか。2016年7月7日のEURO準決勝で、ドイツ代表はフランス代表と戦う。
2日に行われた準々決勝のイタリア戦は、1-1のままPK戦にもつれ込む。最後はヨナス・ヘクターが決め切ってドイツ代表が勝利した。しかし死闘は無傷で終わらない。4日の会見で、代表監督ヨアヒム・レーブは「イタリア戦ではフィジカル面においてダメージを負った」と明かした。
「マリオ・ゴメスは残りの試合を全て欠場する。我々の戦いに加わることはできないだろう。サミ・ケディラは木曜日の準決勝は確実にプレーできない。シュバインシュタイガーも膝の軽傷を負った」
マルセイユに向かうドイツ代表は、まさに満身創痍だ。
中でもゴメスの離脱が、最も大きな痛手となることは間違いない。ケディラやシュバインシュタイガーであれば、ジャンやバイグルといったボランチの代役候補をすぐに見つけることができる。
しかしゴメスについては、本大会メンバーの中に代役が見当たらない。レーブは嘆いた。
「マリオ(・ゴメス)の不在が残念だ。ゴールを決めるために、彼はワンチャンスで十分なんだ。ラストパスをボックス内で受ければ、常に相手の脅威になるFWだ。空中戦における彼のクオリティも惜しいね」。
もし、フランス代表のFWジルーがドイツ人だったら、そのままゴメスの代役に抜擢されただろう。フィジカルを活かして「ボックス内」で存在感を発揮し、ただどっしりと構えるのではなく、緩急をつけた動き直しで相手のDFラインを揺する。
準々決勝アイスランド戦の12分には、マトゥイディからのロングボールに抜け出して「ワンチャンス」をモノにした。ルーマニア代表との開幕戦でのゴールや、アイスランド戦での59分の得点のように「空中戦」でも強さを発揮する。