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EURO準決勝の“超難度”判定を主審が振り返る「手が触れたのは一瞬だった」

text by 編集部 photo by Getty Images

ニコラ・リッツォーリ
フランス対ドイツ戦を裁いたニコラ・リッツォーリ氏【写真:Getty Images】

 イタリア人審判のニコラ・リッツォーリ氏が、EURO2016の準決勝について語った。13日付のイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が報じている。

 リッツォーリ氏は、2007年から国際審判員としても活躍しているサッカー審判員だ。チャンピオンズリーグ決勝とワールドカップ決勝の両方で主審を務め、国際サッカー歴史統計連盟によって2014年と2015年に2年連続で年間最優秀レフェリーに選ばれている。

 そのリッツォーリ氏は、ドイツとフランスが対戦したEURO2016の準決勝の主審を担当した。同氏はその試合で起きたPKのエピソードについて語っている。46分にシュバインシュタイガーがペナルティエリア内でハンドを犯し、フランスに先制ゴールを導くPKが与えられた。

 「コーナーキックではスタンダードな位置に立ち、それから動きを追うべき何組かのコンビを決めるんだ。あの時はボールが(フランス代表のパトリス・)エブラと(ドイツ代表のバスティアン・)シュバインシュタイガーがいる所へ向かっていたね。そして手が触れたのは一瞬だった」と当時の状況を振り返った。

 「その瞬間を頭の中に記憶してゴールレフェリーを務めていた(アントニオ・)ダマートへその確認をしたけれど、彼は選手に視界が邪魔されてその状況が見えていなかったようなんだ。そこで私の確信を信じることにした」と決断までの経緯を語っている。

 「ドイツの選手たちはその状況を理解していなかったね。私はシュバインシュタイガーを呼んだんだ。すると彼らは皆彼の方を向き、額に手を当てて落胆していた彼の姿を見て初めてその状況を理解した」とその時の状況を明かした。

 一瞬での正確な判断が問われるレフェリー。試合の運命を握る彼らの責任の重さは計り知れないものだろう。

【了】

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