オフトJが超えた一線。言語化による整理と規律の浸透。異端児ラモスとのバランス【西部の4-4-2戦術アナライズ】

2016年07月27日(水)10時19分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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4-4-2は頓挫も大きな変化が見られた

 個性の強い選手たちをパッチワークのようにつなぎ合わせた日本代表は、アジアカップ初優勝を果たし、人気の面でもJリーグ開幕の気運とともに牽引車となった。弱点は選手層の薄さである。オフト監督もバックアップの充実を図ったものの時間が足りなかった。最終予選前には負傷中だった都並敏史の代役探しで難航する。

 ただ、それ以上に日本のプレースタイルがすっかり読まれていたのが痛かった。最後のイラク戦でのロスタイムに喫した失点がクローズアップされがちだが、予選敗退の要因は2戦目のイラン戦で敗れたことだと思う。イランは日本の中枢であるラモスを激しい当たりで潰し、急造の左サイドを徹底してついてきた。

 イランに負けて後がなくなった日本は、カズ、中山雅史、長谷川健太の3トップに変えて北朝鮮、韓国に連勝する。メインのフォーメーションだった4-4-2は緒戦のサウジアラビア戦のドローとイラン戦の負けで軌道修正を余儀なくされた。手の内を読まれた4-4-2はアジアで頓挫したわけだ。

 オフト監督になってからの大きな変化はパスを回せるようになったこと。それまで対戦相手はプレッシャーをかければ日本はつなげないと思っていた。しかし、パスでかわされてしまうので諦めて引くようになった。主導権を握るか握られるか、アジアにおいてその一線を越えたのがこの時期の代表だった。

(文:西部謙司)

【了】

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