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「90分間プレッシングを続けることは不可能ではない」。異端の監督、パコ・ヘメスの気高き魂【超攻撃的フットボールの美学】

シリーズ:超攻撃的フットボールの美学 text by 江間慎一郎 photo by Shinichiro EMA , Getty Images

プレーメカニズムを理解させやすい映像でのセッション

――プレーのメカニズムを理解させることにおいて、どのような方法が最も効率的でしょうか?

P 映像を使ったセッションだね。戦術についてはピッチ上よりもビデオルームで時間を割いた方が良いというのが、我々コーチ陣の考えだ。ポジションニングや動き方は画面で確認した方がより理解できるし、ピッチを使った練習で何をすべきかもより明確になる。ピッチ上で1時間立ちっぱなしのまま戦術を説明したとしても、選手たちは退屈に感じ、集中力を欠いてしまう。反対に映像によるセッションであれば、我々が注視していることを数分間で理解させられる。

――どのようなチームが相手でも戦い方は変わらないと言いましたが、例えばバルセロナ、アトレティコ・マドリーを相手にすれば、異なる試合を強いられることになります。

P 確かに我々は相手によって問題を抱えることがある。攻撃的、守備的であるかが明確なチームとの対戦が特にそうだ。いくつかのチームは攻撃に人数を割いて我々を自陣に押し込め、逆に後方に引きこもるチームには崩し切るのに苦労を強いられる。ただ、それでも我々の戦い方は変わらない。このチームは後方からビルドアップを図り、可能な限りボールを保持することを試みる。できる限り高い位置でプレッシングを仕掛けながらね。

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