浦和・李忠成が示した真骨頂。興梠不在時の2ゴール。生粋のストライカーとしての矜持

2016年07月28日(Thu)11時29分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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李忠成が抱くストライカーの矜持

 DF遠藤航とワントップとしてチーム最多の10得点をあげていた興梠慎三を、リオデジャネイロ五輪に臨む日本五輪代表へ送り出してから初めて迎える一戦。李忠成は心中に熱い思いを募らせていた。

「今年はすごくコンディションがいいなかでサッカーができていて、ワントップでやりたいという気持ちもすごくあった。鹿島との一戦で『(興梠)慎三がいなくなったから、点を取れなくて負けた』とか『遠藤(航)がいなくなったから失点した』と言わせたくなかった。自分は慎三の代役ではなく、慎三以上の仕事をしようと思っていたので」

 興梠の背後、シャドーのポジションに武藤と左右対で並び、3人で正三角形を形成。ポジションを流動的に変えながらレッズの攻撃を担ってきた一方で、李忠成はワントップへの憧憬の念を常に抱き続けてきた。

 加入直後こそ李忠成がワントップに入り、興梠と原口元気(現ヘルタ・ベルリン)がシャドーに入る形が多かった。しかし、ゴールデンウイーク明けには興梠がワントップに復帰し、いま現在に至っている。

 興梠はボールを収めるテクニックに長けていて、ポストプレーを介して周囲の味方を巧みに使うこともできる。ストライカーとしても、足元でもらうプレーも相手の裏へ抜け出すプレーも高レベルでこなす。

 いわゆる万能型で身体能力の高さをもあわせもつ興梠に対して、李忠成は「すごくやりやすいですよ」と笑顔を弾ませたうえで、こんな言葉を続けたことがある。

「ただ、生粋のストライカーというか、フィニッシャーではないので。どちらかといえば、シャドーストライカーみたいな感じじゃないですかね」

 対する李忠成は、日本人ストライカーには稀有なレフティー。豊富な運動量で前線から絶えずプレッシャーをかけ続け、俊敏な動きとあふれる闘争心で泥臭く相手ゴールに迫る。

 ワントップの興梠がポストプレーに徹するときは、自らが点を取る仕事に徹する。ストライカーの矜持を抱きながらプレーしていることは、李忠成のこんな言葉が如実に物語っている。

「サッカーを始めたときから、僕は点取り屋なんです」

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