日本代表と4-4-2の「ゾーンプレス」。強豪には善戦も、アジアで苦戦した加茂監督時代【西部の4-4-2戦術アナライズ】

2016年08月10日(Wed)10時19分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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加茂監督が掲げた「ゾーンプレス」

加茂監督の前任であるファルカン元日本代表監督
加茂監督の前任であるファルカン元日本代表監督【写真:Getty Images】

 加茂監督は日産(現在の横浜Fマリノス)を常勝チームに育て上げて名をあげ、横浜フリューゲルスの監督時には「ゾーンプレス」を掲げて93年の天皇杯に優勝。日本人としては最も経験豊富で実績のあるプロ監督だった。

 日産のときは木村和司、金田喜稔、水沼貴史、アデマール・マリーニョ、柱谷幸一といった個人技に優れた選手を集めた技巧的なプレースタイルだったが、横浜フリューゲルスではヨーロッパのプレッシング戦法を採り入れていた組織戦術で、南米風のヴェルディ川崎、横浜マリノスに対抗しようとしていた。

 日本代表監督としては、横浜フリューゲルス時代の「ゾーンプレス」導入を図っている。プレッシング+ショートカウンターを軸とする戦術は前任者のファルカンと同じと言っていい。ただ、日本のクラブにプレッシングを導入した経験がある加茂は、ファルカンの轍を踏まなかった。ファルカンの理想はまったく実現されず理解もされていなかったが、加茂の指導は当時の選手たちには「わかりやすかった」という。

 ただ、その「わかりやすさ」が最終的にアダになったかもしれない。

 ゾーナル・プレッシングをわかりやすく「ゾーンプレス」という和製英語で広めた加茂監督も、当初は見よう見まねだった。横浜フリューゲルス時代にズデンコ・ベルデニックをコーチに招き、プレッシングのノウハウを吸収している。

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