フットボールチャンネル

日本代表 8年前

日本代表、不足していた「守備における個」のクオリティ。注力すべきCBの育成【西部の目/リオ五輪サッカー】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

力を入れるべきCBの育成

20160812_cb_getty
植田、塩谷、岩波(左から)のCB陣は人材不足だった【写真:Getty Images】

 今大会の日本の戦い方は「粘り強く守り、少ないチャンスを生かして勝つ」だったはずである。

 ところが、フタを開けてみたらいきなりナイジェリアと点の取り合いになった。コロンビア戦も2点のビハインドになってから追いついた。攻撃力があったのは収穫とはいえ、予定どおりの試合ができたのはスウェーデン戦だけ。

 守備組織自体に大きな問題はなく、ちゃんと守れているのにあれだけ失点してしまう。これでは「粘り強く守る」というプラン自体が無理だったようにみえる。

 だが、戦い方そのものは間違っていない。現状の力でメダルを狙いにいくなら、堅守速攻は理にかなっていた。しかし、残念ながらそれが成立していない。

 守備に関しては攻撃以上に個のクオリティが足りなかった。前回大会に続いてDFにOA枠を使ったのも、このポジションの層が薄いことの表れだ。五輪でさえも組織が良いだけでは守れなかった。

 CBは特に育成に力を入れるべきだ。今回は岩波の負傷がなければU-23コンビで組めたと思うが、他のポジションに比べるとやはり人材不足だった。

(文:西部謙司)

【了】

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top