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小野伸二が後押しした楠神順平の豪州挑戦。“ワンダーランド”で愛される存在になれるか

text by 植松久隆 photo by Taka Uematsu

Aリーグ随一のハードワークにも自信

楠神
豪州でのチャレンジを決意した楠神順平【写真:Taka Uematsu】

 7月22日、来豪直後の楠神に直撃する機会を狙って、シドニーに飛んだ。筆者の空港着と日本からの飛行機の到着時間がかなり近いこともあって、クラブの広報担当に前夜に話を付けたうえで、空港で到着の瞬間を捉えるべく”出待ち”した。

 しかし、手違いで出迎えに来ていたクラブ担当者に話が通っていなかったこともあり、空港では挨拶と写真を数枚撮るだけに留め、インタビューは断念。楠神がチームに合流する予定のシドニー西郊のトレーニング・グランドへと急いだ。

 ローカルの電車を乗り継ぎ、最寄り駅からは30分ほどの徒歩、空港から実に2時間近く掛けてたどり着いたWSWのトレーニング・グラウンド。到着したときには、チームが全体練習を行う傍らで楠神はその様子をじっと見守っていた。聞けば、到着後すぐに練習前のミーティングに合流。そこで簡単にチームメイトに紹介をされた後、グラウンドに出て、別メニューでの軽いランニングを既に終えたとのことだった。

 練習後、クラブハウスに現われた楠神はシャワーで旅の疲れを少しは流すことができたのか、格段にリラックスした表情を見せていた。

「今日は思ったより寒くなくて、過ごしやすかったし、チームの皆もすごくフレンドリーに話しかけてくれるので、とても入っていきやすい。言葉は全然わからないけど、雰囲気はすごくいいなと感じた」とは、小野伸二以来、日本人選手合流時のお約束となっている「到着即合流」を終えての第一声。

 この日、ピッチ脇でじっくりと見守ったのは、Aリーグ随一とも言われるWSWのハードワーク。それでも、Jリーグで百戦錬磨の身には「(前所属の)鳥栖もかなりハードにやっていたんで大丈夫と思う。逆だと厳しいけど、こっちが(フィジカルが)上がっている状態なので問題なく入れる」、さほどの驚きはなかった様子だった。

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