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ネイマール抜きでコパ敗退、危機的状況にあるセレソン。ドゥンガ解任とリーダー不在問題【フットボールと言葉】

シリーズ:フットボールと言葉 text by 竹澤哲 photo by Getty Images

大会直前にメンバーが入れ替わるドタバタ劇

 ドゥンガにとって逆風となったのは、大会直前に、次々にけが人が現れたことだった。6月に入る前の段階で、4人が怪我のためメンバーから外れた。離脱したのは、攻撃陣のレギュラーであるリカルド・オリヴェイラ(サントス)とドゥグラス・コスタ(バイエルン・ミュンヘン)。さらにオリンピック代表候補であったラフィーニャ(バルセロナ)とゴールキーパーのエデルソン(ベンフィカ)だった。

 さらにボランチのルイス・グスタヴォ(ヴォルフスブルグ)は個人的な理由からメンバーから外れた。

 ドゥンガにとってさらに痛手となったのは、キャプテンに指名したミランダが、6月1日の練習中に足を痛めてしまったことだ。翌日、検査を行い、とりあえずメンバーからは外れないで、治療を続けることになった。6月2日にはドゥグラス・コスタの代わりに招集されたカカーも最終的に外れることが発表された。

 コパ・アメリカ直前にメンバーが6人が入れ替わるという、ドタバタ劇をブラジル代表は演じることになった。

 6月4日、ブラジルはエクアドルとコパ・アメリカ第1戦を戦った。ドゥンガ監督となって2年が経過しようとしていたが、エクアドル戦のメンバーには、2014年ワールドカップドイツ戦に出場したメンバーは一人も入っていなかった。選手たちにはこれが新しいセレソンだと、人々にアピールしようとする気持ちはなかったのだろうか。

 少なくとも気持ちが入ったプレーは90分間皆無に等しかった。何度かウィリアンが右サイドから上がりチャンスメイクするが決定力がない。前半がジョナス、後半からガブリエウが入るが、最後まで得点できずに終わった。

 本当に集中して戦っているのかを疑うようなシーンもあった。それはゴールキーパーのアリソンが、相手のセンタリングされたボールをゴールポスト付近で落とし、ゴールに入れてしまったことだ。センタリングをする前にゴールラインを割っていたとレフェリーが判断し、ゴールは認められなかったが、それにしてもひどい凡ミスだった。

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