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代表 8年前

韓国代表監督が突然の謝罪。出場機会少ない欧州組の起用めぐり猛批判

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

クラブで出場していない欧州組の起用に批判。そして謝罪

 シュティーリケ監督は記者会見で「正直に打ち明けたい。9月の2連戦(中国・シリアとの試合、この2試合で韓国は1勝1分)で私は3つのミスを犯してしまった」と激白。招集メンバーの発表会見では異例な発言だ。彼が挙げた3つのミスとは以下の通り。

・アウェイのシリア戦(スコアレスドロー)で芝の状態に言及し、言い訳をしたこと。
・選手たちの体力が落ちていた際、交代カードを使うタイミングを逃したこと。
・23人の選手を招集できたのに20人しか招集しなかったこと。

 監督が自分の采配やメンバー招集に関してここまで謝罪する、しかも試合後のインタビューでもなく、メンバー発表記者会見で発するのは実に異例な場面である。しかし、これはシュティーリケ監督が韓国サッカーに興味を持っている証でもある。

 というのは、自ら激白したミスが実は9月の2連戦すべて韓国マスコミやファンの間で猛反発を起こしたことであるからだ。特にシリア戦では、欧州組をほとんど使い切りながらもスコアレスドローに持ち込まれ、批判に晒された。出場機会に恵まれていない欧州組を無理に出場させているとファンの間では“解任すべき”という過激な意見があったほどだ。

 だが、指揮官はそれをすべて受け止めたうえでしっかりと謝罪の声を発した。23人の選手枠を埋めたのはもちろん、ファンが待ち望んでいた通り、Kリーグクラシック(1部)で今まで破竹の勢いと無敗(17勝14分)を走る全北現代の主軸メンバーを呼んでいる。

 韓国マスコミもこの発言をポジティブにとらえている。韓国のニュース通信社『News1』は「シュティーリケ監督が初めて味わった試練の時間を克服するため出したカードは自らのミスを認め、外部のアドバイスを受け止めるオープンな姿勢だった」とした上で「ファンの声に耳を傾けたのはすごい勇気」という主旨で称えた。

 自らのミスを素直に認め、新たな出発を掲げたシュティーリケ監督と韓国代表。カタールとイランは決して簡単に勝ち越せる相手ではない。監督の勇断がこの2連戦でどのような成績を持ってくるのか、期待されるところだ。

(取材・文:キム・ドンヒョン【城南】)

【了】

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