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日本代表 7年前

豪州にとってドローは満足だったか。拍子抜けの相手にハリルJが勝ち点2を落とした意味【現地記者の目】

日本代表は現地時間11日、ロシアワールドカップアジア最終予選でオーストラリア代表とアウェイで対戦し、1-1で引き分けた。グループBで最高位の“サッカルーズ”(オーストラリア代表の愛称)との対戦だったが、現地でオーストラリア代表を10年以上取材する現地記者は、日本代表が拍子抜けなパフォーマンスだった相手に引き分けという結果に終わってしまったことへの意味を指摘している。(取材・文:植松久隆【メルボルン】)

text by 植松久隆 photo by Getty Images

豪州代表にとって“ホームでの勝ち点1”は満足だったか

原口
日本代表と豪州代表の一戦は引き分けに終わった【写真:Getty Images】

 ホームでの勝ち点1。普通であれば、「勝たなければいけなかった」と言う声が上がるものだ。しかし、それが日本と言う最大のライバルが相手であったら、「まぁ、負けなかっただけいいだろう」となる。そこには、やはりアジアへの先達に対してのリスペクトが残っているからなのか――。

 いや、それは否である。昨夜の試合に限って言えば、豪州サイドはあの出来で「負けなくてよかった」と思わねばならない。試合後の会見で日本代表のハリルホジッチ監督が、「選手には、グループ最大の難敵から“勝ち点1を得られた”ことを、おめでとうと伝えたい」と言ったが、それを何をか言わんという思いで聞いた。

 日本は間違いなく、勝てる試合を逃しグループ最大の難敵からの“勝ち点2を落とした”のだ。昨晩の豪州相手に追加点を奪えなかったことを問題視するべきだと思うのだが。

 試合前、スタメン表が配られた瞬間に、長くサッカルーズを見てきた身としてのちょっとしたサプライズがあった。マーク・ミリガンやマシュー・レッキー、そしてロビー・クルーズと言ったこの最終予選に入って活躍を見せていたレギュラー格の選手が全て外れての4-4-2は正直、想定外。ミリガンは、先のサウジアラビア戦で本職でない右SBでのプレーにやや精彩を欠いたのもあり、高さのライアン・マクゴーワンで臨んだのは解せる。

 しかし、2トップにトミ・ユリッチとアポストロス・ジアノウが並んだのには驚いた。というのも、この2人が同時にプレーをするのはこの試合が初めて。2トップがあるとすれば、ユリッチとレッキーの組み合わせだろうと決めつけていた、自分にはたと気づかされた。並べた理由は分かる。単純に「高さ」。とはいっても、レッキーとジアノウの身長差は4センチだが。

 レッキーが頭から入っていれば、4-3-3へのシフトの時に話が早いのだが、そうできなかった理由と、そのことでスーパーサブのティム・ケーヒル投入を含む後半の交代カードの切り方に影響が及んだことは後述する。

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