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本田圭佑 8年前

ミラン、“若き力”で挑む絶対王者ユーベ戦。本田に先発の余地ないが…指揮官も評価した「闘志と規律」

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

本田はメンバー入りもベンチスタート濃厚だが…

本田圭佑
負傷から回復した本田圭佑【写真:Getty Images】

 さて、本田圭佑は左足首の故障から回復し、21人の招集メンバーの中に名を連ねた。「代表招集中に抱えた左足首の問題は良くなった。この数日はチームと共に練習をしていた」とモンテッラ監督は語り、その後の練習で異状も見られなかったため試合に招集された。

 つまり出られるコンディションにあるということだが、やはりベンチスタートが濃厚だ。もとい主力の状態が良く、スタメンで本田をぶつける余地がない。バックアップの立場からチームへの貢献を目指す。最近数試合ではゴールやアシストから遠ざかっているとはいえ、右ウイング一番手のスソは小気味好い突破やパスによるチャンスメイクを見せている。

 若手中心でエネルギッシュな今のミランのサッカーは、完成度を高めて自然に主力が固定してきている。その中で本田のチャンスは狭まってきている印象は否めないが、バックアップとしてもここが正念場であるとも言える。

 上り調子をつかんでいるチームのムードに乗り、腐らずにコンディションを上げられるか。そして呼ばれた時に懸命に体を張り、チームに貢献できる状態に自らを保つことが求められる。

 スピードがない、相手をかわして数的有利を作る力もない。本田が罵詈雑言を言われたのは今に始まった話ではない。ただそんな選手でもコンスタントにチームに貢献できた時期は確かにあった。規律通りに動かない選手が多かったなか、シニシャ・ミハイロビッチ監督(現トリノ)は本田の規律の高さを評価し出場機会を与えた。

「彼が残した闘志や規律は、チームを作る上でのベースとなる」とモンテッラ監督は語っていた。その言葉通りに今のチームには規律と一体感があるが、大事にするものが同じなら、本田に必要とされる時も来るはずだ。

 その時に、期待に応えるプレーができるかが勝負どころである。どんな形であれ、どんな時間であれ、守備であれ、攻撃であれ、チームの勝利に貢献するためのハードワークを見せられれば、活路につながると期待する。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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