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Jリーグ 7年前

ルヴァン杯決勝でPK失敗の呉屋大翔、直後の試合で先発起用。指揮官の「メッセージ」

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「ピッチの上でしか借りは返せない」(呉屋)

 指揮官からの期待を呉屋本人も感じている。試合を終えてメディアの前に現れた時、表情は暗かったが絞り出すように、自分の言葉で苦しみを吐き出す。

「ピッチの上でしか借りは返せないとずっと思っていたので、そういう気持ちで入りました。監督からも直接声をかけられて、『やってこい!』と送り出されたので、結果という形で示せなかったのは悔しいです」

 PK失敗の衝撃から立ち直るのは容易でなかっただろう。本人は「いつもとやることは変わらないので、そういう意味ではいつも通りの準備をして、一番いい準備をしてきたつもりでした」と気丈に語るが、「結果につなげられなかったことを素直に受け止めたい」と発した時の表情には悔しさがにじみ出ていた。

 いまの呉屋に必要なのはゴール、それだけだ。近いようで遠かった1点が決まれば全てが変わる。これまでも自分のゴールで運命を手繰り寄せてきた。

「自分がやるべきことをしっかりこなせるように」

 この言葉の通り、ゴールがなければ何も始まらない。G大阪は来季に向けて新たなストライカー獲得に動くと報じられており、ライバルが増えれば呉屋には今季以上に厳しい競争が待っている。その中を生き残っていくために、ゴールが必要だ。1点の重みを誰よりも理解した男は、苦しみもがきながら一筋の光をつかもうとしている。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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