東京五輪世代のエース、小川航基の現在地。U-20W杯出場権獲得。ポジティブな風をジュビロへ

2016年11月02日(Wed)15時29分配信

text by 藤江直人 photo Hiroyuki Sato, Getty Images
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J1で経験を積んでいる選手たちとの「差」

 プロの公式戦で、まだゴールネットも揺らしていない。中山やセカンドステージからレギュラーの座を奪取していた同期のDF冨安健洋(アビスパ福岡)が最終ラインで威風堂々とプレーする姿を見たとき、小川は自身との「差」を感じずにはいられなかった。

「やっぱり(中山)雄太君は落ち着いていましたし、それは大会無失点という結果にもなって表れていたので。J1で経験を積んでいるセンターバックの存在は、大会を通じて別格だったかなと」

 もっとも、ジュビロの一員として歩んできた日々のなかで、小川は自信を失ってはいなかった。高校ナンバーワンストライカーという称号にさらに誇りをもたせて、自らに「期待通りではなく、期待以上のプレーを見せたい」と言い聞かせながら、試合に出られない悔しさを成長への糧に変えてきた。

「雄太君をはじめとして、自分たちの世代でもJ1の舞台でバリバリのレギュラーとして活躍している選手がいますけど、自分が劣っているとは思っていません。ただ、ジュビロで出られていないということは、自分に未熟なところがまだまだあるから。もしも自分を使ってくれるのであれば、どんどん点を取る自信はある。そのチャンスが来たら、絶対に生かしたいと思っていますけど。

 U-19代表では味方とのコミュニケーションがしっかりと取れて、自分のよさというものをわかってくれているので、その部分でボールがどんどん出てくるんですけど。ジュビロではまだ結果を出せていないこともあって、まだ自分を見てくれていないところがある。自分が特徴とするゴールの形というものを、もっともっと呼び込んでいきたい」

 胸中に秘めてきた矜持を、バーレーンの地で爆発させた。緊張と気負いからぎこちない展開となり、前半をスコアレスで折り返したU-19イエメン代表とのグループリーグ初戦。後半開始早々に十八番とするヘディング弾でゴールネットを揺らし、FW岩崎悠人(京都橘)とMF原輝綺(市立船橋)の高校3年生コンビによる追加の2ゴールを導いたのは小川だった。

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