戦術がぶつかり合ったミラノダービー。インテル新監督が見せた緻密さとミランで絶対的地位を確立したスソ

2016年11月21日(Mon)15時20分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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必然だったインテルの同点ゴール。ミランは選手層の薄さが浮き彫りに

長友
試合終盤に投入され、スソのマークを担った長友佑都【写真:Getty Images】

 こうしてせっかく戦術プランにはめながらも、インテルはリードを奪われた。だが彼らが良かったのは、勝負を諦めずに集中して戦ったことだ。

 まずはピオーリ監督の対処が早かった。自由にさせすぎたスソを封じるため、イエローも貰っていたアンサルディを諦めて長友佑都を投入する。鋭い出足で詰めてボールを触らせず、一方で攻撃では高い位置を取る動きにスソはポジションを下げざるを得なくなる。すると、カウンターの軸を消されたミランは全体でラインを下げた。

 こうなると、再び流れを掴むのはインテルだ。守備でも集中してカウンターを許さず、次々と波状攻撃を繰り出す。アディショナルタイムの最後にもぎ取ったCKは、数々の猛攻の末に呼び寄せたチャンス。それをペリシッチが頭で押し込み、彼らは取るべくして同点ゴールを奪ったのだ。

 ボールポゼッションが65%、シュート数がミランの10本に対して18本と、内容の上でインテルが上回っていたのは数字でも明らかだ。もっともCFのマウロ・イカルディが決定機を外し、8回もあったCKも1つしか生かせなかったわけだから、復調に向けてさしあたっての課題の一つは攻撃の精度ということもできる。

 一方でミランは、これまでに見せた勝負強さを発揮して最低でも勝ち点1を死守。これで総勝ち点を26とし、アタランタに破れたローマと同勝ち点にしつつ3位を守った。ただ攻撃の手が封じられた場合の選択肢のなさや、層の薄さを露呈した一戦であったことも確かだ。1月には移籍期間に入るが、どういう補強を展開するかも後半戦の行方を大きく左右しそうである。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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