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Jリーグ 7年前

J3長野退団の元スイス代表守護神。家族を愛する男がJリーグ残留を熱望する理由

text by 舩木渉 photo by Dan Orlowitz, Getty Images

「いまは日本のGKたちが前に進み続ける力をくれている」

ジョニー・レオーニ
レオーニはこれからも家族と夢のために戦い続ける【写真:ダン・オロウィッツ】

 長野を退団したが、来年からは家族と一緒に暮らしながら日本でプレーする道を模索している。レオーニにとって日本はキプロス、アゼルバイジャン、ポルトガルに続く4度目の海外挑戦で、過去にないほど充実した日々を送れたことが理由だ。

 チューリッヒを退団した後、キプロスのACオモニアに加入したレオーニは満足なプレー機会を得られず半年でアゼルバイジャンのネフツチ・バクへと移籍した。その当時は「日々の生活を楽しめていなかった」と振り返る。

「スイス国外での生活は僕にとって簡単ではなかった。これまでの人生、たくさんのことがあった。キプロスでは金銭面に問題があってプレーできなかった。大きな契約を結んでいたんだけど、プレーを辞めざるをえなかった」

 ピッチ外の問題を抱えたまま短期間で2ヶ国を渡り歩き、キャリアは下降線をたどっていった。アゼルバイジャンで半年プレーした後、ポルトガルのマリティモに新天地を求めるも出場機会はわずかで、2014年からは母国へ戻って2部のル・モンに在籍。ここ数年は苦しい日々を過ごしてきた。

 そんな中で選んだアジアという未知の領域への挑戦。「チャレンジをしたかった」レオーニは、家族の理解を得て日本からのオファーに即答した。9ヶ月のプレーを経て、今では「いい選択だったと思う。日本は大好きだ」と笑顔を見せる。

 スイスで主に使われるドイツ語だけでなく、英語もネイティブ並みに操る。妻の影響でポルトガル語も理解し、ブラジル人選手ともコミュニケーションを取れるレオーニは、短い期間でピッチ内外において本物のプロフェッショナルであることを示してきた。

 そして家族にとってはよき夫であり、またよき父である。「僕はまだ32歳。自分ではまだ若いと思っているし、いまは日本のGKたちが前に進み続ける力をくれている。このリーグには38歳や40歳でもフィットしているGKがいる。それが僕の目標だよ」と語る“パパさん守護神”はJリーグでのさらなる活躍を夢見て挑戦を続ける。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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