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Jリーグ 7年前

大宮、クラブ史上最高のシーズンに。家長が絶大な存在感を発揮、新加入・江坂もブレイク【2016年Jリーグ通信簿】

シリーズ:2016年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images , Editorial Staff

クラブ史上最高の年間5位。カップ戦でも勝ち進む

家長
大宮で存在感を放っていた家長昭博【写真:Getty Images】

 大宮にとっての2016年は、間違いなくクラブ史上最高のシーズンだった。リーグ戦では安定した戦いぶりで目標の勝ち点48をクリアして年間5位で終え、YBCルヴァンカップでは11年ぶりの決勝トーナメント進出。天皇杯では2005年以来のベスト4入りを果たし、クラブ史上初の決勝進出にあと一歩まで迫った。

 シーズン序盤はJ2で見せていたような主導権を握る戦い方を封印し、堅く守ってカウンターを仕掛けるスタイルを採用。渋谷監督はある程度割り切って結果を追求し、勝利を重ねてチームに自信を植え付けていく。

 これが功を奏したか、夏場以降は徐々にJ2時代のようなスタイルへ戻っていく。前線からの果敢なプレッシングで相手の攻め手を封じ、ピッチを幅広く使ったポゼッションで崩す形の質は高く、安定感も兼ね備えていた。

 その中心にいたのが家長だった。前線で絶大な存在感を示し、持ち前の創造性と力強さで攻撃をけん引。パス本数はチーム内で最も多く、26試合の出場で11得点とストライカーとしての仕事も果たした。そして課題とされていた守備でも全力プレーで貢献し、攻守に代えのきかない大黒柱として異彩を放った。

 また、群馬から加入した江坂も初のJ1で猛威を振るった。1stステージは出場機会の確保に苦しむも、ルヴァン杯の活躍で定位置を奪取。2ndステージは崩しの局面で実力を発揮し、スペースを突く動きやシュート技術の高さを駆使して8ゴールを奪った。記録に残らないところでもチームに尽くし、その貢献度は単純に数字で測れるものではない。

 在籍2年目の横谷繁が長短のパスを蹴り分けながら中盤の中央でゲームを作り、守っては菊地光将と河本裕之が壁となってゴール前に立ちはだかる。爆発的なスピードと独特のテンポを刻むドリブルで右サイドを切り裂くブラジル人MFマテウスが急成長を遂げたこともチーム力の底上げに一役買った。

 とにかくポジティブな要素が多かった2016年。来季も渋谷監督の続投が決まっており、来年以降はチームとしての継続性が問われる。

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