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マンU、史上最高額でポグバ獲得も前半戦は6位。後半戦はモウリーニョの手腕に期待【欧州主要クラブ中間査定】

シリーズ:16/17欧州主要クラブ中間査定 text by 小澤亮太 photo by Getty Images , Editorial Staff

キャリック起用で中盤が安定。不在時の対策は必須

キャリック
チームの中盤を支える35歳のマイケル・キャリック【写真:Getty Images】

 後半戦に向けての大きな課題はキャリック不在時の対応だ。ここ数年解決されていないこの問題は今シーズンも先のミドルズブラ戦で露呈した。体調不良のためキャリックが欠場すると、縦パスが入らずに攻撃にリズムがもたらされなかった。35歳という年齢を考慮すれば、キャリックが後半戦フル稼働できる保証はない。

 ボランチにはフィジカルコンタクトに不安があるものの、足元の技術に優れるダレイ・ブリントや出場機会を失いつつあるウェイン・ルーニーを起用するということも考えられる。チームの重心が後ろに掛かってしまうことを覚悟して、ダブルボランチに変更することもあり得る。いずれにせよキャリック不在時の対応は考えなければならない。

 2016年から17年に掛けて6連勝を達成したが、そのうち10位以内のチームはトッテナムとウェストブロムのみで残りは中位、もしくは残留を目指すチーム。プレミアリーグでは下位相手にも勝ち点3を取ることが難しいとはいえ、上位進出のためには自分たちよりも上にいるチームとの直接対決には勝たなければいけない。

 上位にいるチェルシー、アーセナル、マンチェスター・シティ、リバプール、トッテナムの5チームとの前半戦の試合では1勝2分2敗。リバプール相手には守備を固めてスコアレスドローだったが、チェルシーとの対戦ではチームの完成度の差を見せつけられる0-4の完敗を喫した。

 順位が近いチームや重要な試合は“シックスポインター”と呼ばれることもあるが、そのような一戦で勝利を積み重ねていくことがCL出場権の獲得にも繋がる。

 モウリーニョ監督は「昨シーズンまでとは異なるアプローチに取り組んでいる」と話しているが、ELのグループリーグなどもあり、選手たちがスムーズにプレーできるようになるには時間が掛かった。

 4つのコンペティションを並行して戦うことになるユナイテッドの後半戦であるが、カップタイトル3つを目指しながら、リーグ戦では現実的な目標となるCL出場権ストレートインを確保できれば、モウリーニョ監督の1年目としては合格点を与えることができるだろう。

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