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ドルトが見せた“フットボールの原点”。「本当の闘い」が勝利を手繰り寄せる

ボルシア・ドルトムントは現地時間4日、ブンデスリーガ第9節でRBライプツィヒに1-0で勝利を収めた。前半戦で敗れた相手に対し、ドルトムントは真っ向から勝負を挑む。その姿はまさに“フットボールの原点”を見せてくれた。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「本当の闘いだった」。頂点を目指すプライドのぶつかり合い

ロイス
マルコ・ロイスは闘う姿勢を見せ続けてドルトムントの勝利に貢献【写真:Getty Images】

 フットボールの“原点”が見えた。2017年2月4日のブンデスリーガ第20節、ボルシア・ドルトムントはホームでRBライプツィヒと戦った。

「本当の闘いだったね。そして僕らは闘いの準備が出来ていた」

 試合の後で、マルコ・ロイスは、そう振り返った。

 前半戦の昨年11月19日にバイエルン・ミュンヘンをホームに迎えた時のように、ドルトムントは[5-1-2-2]の布陣でRBライプツィヒに挑んだ。3バックは、マルク・バルトラ、ソクラティス、ウカシュ・ピシュチェク。左右ウイングバックは、マルセル・シュメルツァーとエリック・ドゥルム。ワンボランチにユリアン・バイグル。ラファエウ・ゲレイロとウスマヌ・デンベレの左右インサイドハーフ。そしてピエール=エメリク・オーバメヤンとロイスの2トップだ。

 序盤はライプツィヒの異質なサッカーに苦しんだ。ファウルも厭わず、肉弾戦を挑んでくる。ボールを奪えば、躊躇せずに縦にパスを放り込んでくる。セカンドボールを拾えず、1対1でなかなか勝てない。ゲームを落ち着かせることができず、ペースを握ることができなかった。

 一方で、ドルトムントもシンプルに前に蹴ったことで、ライプツィヒがペースを握った訳でもなかった。ボールが頭上を通り過ぎれば、プレスを仕掛けることはできない。簡単に蹴ってサイドを狙っていく。ポゼッションに軸を置きつつも、カウンター主体の割り切ったサッカーを選んだドルトムント。12分にはオーバメヤンが自陣から単独で右サイドを突破し、チャンスを演出した。

 そしてこの形が、ドルトムントの先制点=決勝点を生むことになった。35分、デンベレが個の力で右サイドを突破する。センタリングを、オーバメヤンがファーで叩きつけた。

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