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マルセイユ、新オーナーの下で本気の補強。「しがみつきたい」。決意の念を語った酒井宏樹

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

各ポジションに主力級を補強。欧州カップ戦出場にも現実味

 実際、シーズン序盤はほぼ無理だと思われていた欧州カップ出場権も、現実味を帯びてきた。12月のリーグ戦4戦に全勝したことで、順位表の下半分だった11位から6位にジャンプアップ。

 フランスリーグからは上位3チームがチャンピオンズリーグに出場、4位と、リーグ杯、フランス杯の両カップ戦勝者がヨーロッパリーグの出場権を得るが、リーグ杯の決勝はPSG対モナコに決定しているから、リーグ杯優勝者枠はほぼ確実に5位のチームにまわってくる。マルセイユにも、十分にチャンスがあるというわけだ。

 マルセイユがこの冬獲得したのは、MFモルガン・サンソン(22歳、モンペリエ、移籍金900万ユーロ)、FWディミトリ・パイエ(29歳、ウェストハム、3000万ユーロ ※クラブ歴代最高額)、DFパトリス・エブラ(35歳、ユベントス、フリー)、そしてMFグレゴリー・セルティック(27歳、ボルドー、非公開)の4人だ。

 エイロー会長が「非常にポジティブな補強ができた」と満足げにコメントしたように、攻撃、中盤、守備に一人ずつ、さらに守備的MFもセンターバックもこなすポリバレントなセルティックと、バランスがとれている。

 パイエが移籍後初めてメンバー表に名を連ねた1月31日のリヨンとのフランス杯戦では、エースの出戻りを歓迎しようとほぼ満席となる53000人がヴェロドロームに詰めかけた。

 今季は序盤から空席が目立ち、6割入れば良い方だったが、相手が前週にリーグ戦で3-1で敗れたリヨンだったこともあり、試合が始まる前から観客の声援は鼓膜が破れそうなほどすさまじかった。

 そしてパイエは、1-1で延長に突入したこの試合で満を持して93分に登場。大歓声を浴びながら、左、右とサイドを変えながらプレーした。

 109分にDFドーリアが挙げた決勝点には絡まなかったが、サポーターもチームも彼の加入で目に見えて士気が上がり、宿敵リヨンを退けてベスト16入りを決めた。

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