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マルセイユ、新オーナーの下で本気の補強。「しがみつきたい」。決意の念を語った酒井宏樹

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

すでに主力の一人となっている酒井宏樹

マルセイユで右サイドバックのレギュラーに定着している酒井宏樹
マルセイユで右サイドバックのレギュラーに定着している酒井宏樹【写真:Getty Images】

 そして、移籍期限締め切り前日に契約がまとまったDFセルティックは、ランスにレンタルされていた1シーズンを除いてこれまでの選手人生ボルドー一筋。ロラン・ブラン監督指導のもと、08-09シーズンのリーグとリーグ杯のダブル優勝も経験している。

 彼は中盤からセンターバックもこなす汎用性が魅力だ。中盤とディフェンスラインの間にスペースが空きがちなマルセイユで、守備強化を担う戦力となってほしいところ。

 補強が整い、新たな気持ちで後半戦を始動させたマルセイユ。酒井は「(良い選手が入って)ここからだと思う。大きなクラブになってきたので僕は1試合でもしがみつきたい」と後半戦の抱負を口にした。

 失点を防げなかったプレーもあるが、毎回完璧な試合ができる選手はいない。現マルセイユで、酒井はすでに主力の一人だ。

 その証拠に、評価に厳しいマルセイユのサポーターからも酒井はしっかりと「マルセイユでプレーするにふさわしい選手」とお墨付きをもらっている。

 サイトなどに寄せられるマルセイユサポーターのコメントを見ても、

「普通なら今頃サカイは少なくとも5アシストは記録しているはず。ゴミスに決定力がないばっかりに……」

「これまでの試合でPSGを除く全戦で、サカイは1試合に最低1本はゴールにつながる好クロスを上げている」

 と、試合でのプレーぶりから彼を評価する声が目立つ。

 優勝争いは、モナコ、パリSG、ニースの三者に絞られた模様だが、マルセイユの勝負は、酒井の言うようにこれからだ。サポーターや記者たちは「今季を4位で終えられれば大成功」と話す。

 酒井いわく、ガルシア監督はそのように順位を意識することを嫌うらしいが、前半はとうてい無理だと思われた欧州カップ戦出場権にも手が届きそうな位置まで上がってきた。

 新戦力を携えたこれからのマルセイユに、熱い視線が注がれている。

(取材・文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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