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マンU、リーグ杯制覇でモウリーニョ新時代へ。勝負を決めたイブラの力。吉田は初の戴冠ならず

text by 小澤亮太 photo by Getty Images

モウリーニョ体制下で初タイトル。トロフィーをいくつ掲げられるか

モウリーニョ
ユナイテッドで初タイトルを獲得したジョゼ・モウリーニョ監督【写真:Getty Images】

 惜しくもクラブ史上初となるリーグカップのタイトルに手は届かなかったサウサンプトン。優勝なら吉田は大会を制覇した初の日本人選手となったが、一歩及ばなかった。近年のサウサンプトンは成長を続けているクラブであり、再びこの舞台に戻ってくることは遠い未来ではないだろう。

 サウサンプトン相手に苦しい展開になったものの、勝利を収めチームにタイトルをもたらしたのはジョゼ・モウリーニョらしさと言えるかもしれない。

 優勝を決めても喜びをあまり表に出さず、選手たちがトロフィーを掲げる瞬間を少し離れたところから見つめていた。ポール・ポグバからトロフィーを渡されるとようやく笑顔を見せ、ウェンブリーに駆け付けたサポーターに向かって手を振り、投げキッスをした。「まだ1つ目のトロフィーだ。このリーグカップは始まりにすぎない」というような表情であった。

 サー・アレックス・ファーガソン退任後、勝負強さが失われたユナイテッド。このタイトルで昨シーズンのFAカップに続いてトロフィーを掲げたことになったが、ユナイテッドの再建を託されたモウリーニョにとってここはあくまで通過点のはずだ。

 プレミアリーグでは前節終了時点で首位チェルシーとは勝ち点12の差となっており、現実的な目標はチャンピオンズリーグ出場権獲得だ。一方でカップ戦では、ELはラウンド16に進出、FAカップもベスト8と勝ち残っており、今シーズンまだタイトルを獲得する可能性がある。

 ELとFAカップで可能性を残す今シーズン、そして来シーズン以降いくつのトロフィーを掲げることができるだろうか。モウリーニョの下、ユナイテッドは新たな時代を迎えようとしている。

(文:小澤亮太)

【了】

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