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日本代表 7年前

長谷部の負傷で危機に陥ったハリルJ。秘策はシステム変更か。問われる選手層と応用力

text by 元川悦子 photo by Getty Images

今野や高萩起用のリスク。ボランチの新たな選択肢は?

今野泰幸
今野泰幸(左)と高萩洋次郎(右)は長く日本代表から遠ざかっていたため起用にはリスクが伴う【写真:Getty Images】

 ただ、今野もハリル体制初期までしかチームに帯同しておらず、その後の変化をつかみきれていない。本人も戸惑いを口にしているように、メンタル的な懸念もある。

 代表メンバーの変化も彼にとっては気になる点。清武弘嗣(C大阪)や大迫勇也(ケルン)は同じ2014年ブラジルW杯メンバーだからいいが、その後に台頭した原口元気(ヘルタ・ベルリン)や久保裕也(ヘント)との連携構築はやはり時間が必要だろう。そもそも山口とボランチを組んだ経験も少ないだけに、3日間の練習で足りるかどうかは未知数だ。

 高萩にしても、山口は2013年の東アジア杯でトップ下とボランチという関係でプレーしているが、ボランチでコンビを組んだことはない。現在30歳の高萩はその後、オーストラリアや韓国でプレーし、国際経験を積み重ねてきたが、代表レベルの実績が少ないのはやはり気がかりだ。

 前回のUAE戦でも大島僚太(川崎F)をいきなり抜擢してマイナスに作用したことがあったが、高萩も同じ事態に陥らないとも限らない。ハリルホジッチ監督も思い切った策は打ちにくいのではないか。加えて彼は今回のアルアイン合宿初日の練習(19日)を右足親指打撲で回避した。18日の川崎フロンターレとの多摩川クラシコで痛めたというだけに、状態が不安視される。

 今野、高萩というカードを切れない場合には、新たな選択肢を模索する必要が出てくる。他にボランチとして使えそうなのは、セビージャで下がり目の位置でプレーすることの多かった清武、ハリルホジッチ監督にたびたびボランチでテストされた原口元気、所属するハンブルガーSVでボランチもこなす酒井高徳あたりだろう。

 ただ、原口は最終予選前半最大の得点源。前目の位置でないとゴールに直結するプレーは期待できなくなる。酒井高徳もサイドバックの人材が薄いため中盤へのコンバートはしづらい。

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