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Jリーグ 7年前

J2長崎、経営危機生んだ諸問題。ジャパネットの支援決定も、未だ続くJリーグの外部調査

text by 藤原裕久 photo by Getty Images

情報の広まりとともに、表面化し始めたクラブへの影響

V・ファーレン長崎のサポーター
V・ファーレン長崎のサポーター【写真:Getty Images】

 クラブは11月に財務立て直しの一環として増資を行なっていたのだが、これらの情報や経緯の一部が広まり始めると、支援を見合わせるスポンサーが現われはじめ、営業体制縮小で中小スポンサー離れが続いていた財務状態は一層厳しさを増していったという。

 こうして2月8日に赤字決算と、取締役の岩本文昭と服部が1月末で辞任したこと、そして社長の池ノ上もすでに辞職届を出していることが発表されるのであるが、その3日後に行なわれたサポーターズミーティングで、クラブはコンプライアンス問題についての説明を「質問内容を誤認した」として二転三転させ、クラブ内で大きな権限をふるっていた服部の説明が一切ないことへの反発もあって、サポーターの不信を募らせることになってしまう。

 2月15日には荒木が常勤の代表取締役会長に就任し、第三者割り当て増資での経営危機脱却を目指す考えを示したが、3月1日の株主総会でもコンプライアンス問題を巡り紛糾し、さらに池ノ上が経営する法人よってクラブハウス内に開院された整骨院による保険不正受給疑惑や、累積赤字が3億1000万との見込みという報道も相次ぎ、その後も混乱が納まる気配は一向に見えなくなっていった。

 こうした中で、多くの関係者からホワイトナイトとして全面支援と経営参加を期待されたのが、メインメインスポンサーのジャパネットだ。自らの影響力の大きさと立場を自覚し、不用意にクラブ運営に介入せず「支援者」に徹してはいるが、高田旭人社長・明前社長、共にクラブと地元への想いが強いことは周知の事実である。

 経営難が表面化するずっと前にも、よりクラブに協力したいと出資を打診し、昨年末にもクラブの財務状況開示後に支援案を提示すると申し入れてもいる。当然、今回の第三者割り当て増資の引受先として第一の候補でもあることを疑うものはいなかった。

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