湘南の新主将、菊地俊介。高山の長期離脱で引き継いだ大役。2ゴールで消し去った“トラウマ”

2017年04月14日(Fri)15時28分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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最高の形で引き継がれた大役。再加速の体制を整えた湘南

 前半33分にジネイが押し込んだ勝ち越し弾は、菊地とボランチを組んだ石川が積極果敢に前へ出て成功させた、インターセプトからのショートカウンターから生まれた。そして後半9分には、神谷が蹴った左コーナーキックを菊地が頭でねじ込んで突き放した。

「1試合で2点を取るの、実は初めてなんですよ」

 笑顔を弾けさせた菊地のなかで、最終的には3‐2でヴェルディを振り切り、名古屋グランパスと勝ち点16で並び、得失点差でわずかに後塵を拝する2位に浮上させた勝利は、キャプテンマークを巻いたときに募らせてきたトラウマをも消去させたようだ。

「キャプテンマークはあまり意識しないようしていますけど、試合へ向けてユニフォームを着て、左腕に巻くと責任感が芽生えるというか。気持ちが引き締まりますね。僕が1年目のときは十代の選手なんてほとんどいなかったけど、アイツらはメンタルが強いからミスを恐れない。僕ももっと頑張らないと」

 一夜明けた10日、都内の病院にDF岡本拓也とともに高山を見舞った。ヴェルディ戦をDAZN(ダ・ゾーン)で観戦していた高山は勝利を喜び、「病人に思われるのが嫌だから」という理由で、入院前に日焼けサロンに通ったことを明かしては菊地と岡本を爆笑させた。

「曹さんから電話で聞いていたこともあって、その(キャプテンの)話は特にそれほどは。いつも通りに、すごく元気よさそうでした。(日焼けサロンの効果で)肌も黒かったし」

 ショックが残っているはずの高山が前向きな笑顔を見せることができたのも、「湘南スタイル」を発動させていくうえでベストの選手に、最高の形で大役が引き継がれたからだろう。菊地の自発的な言動を導いた曹監督の細やかな気づかい。指揮官の思いを感じた秋元と藤田の忖度。まさに雨降って地固まるとばかりに、ベルマーレがピッチの内外で一丸となって、再び加速する体勢を整えた。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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