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メッシが見せた唯一無二である理由。“サイクルの終焉”を跳ね返したバルサとレアルの誤算

リーガエスパニョーラ第33節において、レアル・マドリーとバルセロナの一戦、クラシコが行われた。首位を維持するマドリーに対して、アウェイのバルセロナはルイス・エンリケ監督が退任を表明するなどサイクルの終焉を迎えているかに思われていた。しかし、そんな空気を一掃したのはエースのリオネル・メッシだった。(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

CLで敗退、リーグでも取りこぼし…不調続くバルセロナ

クラシコの舞台で2ゴールを奪ったリオネル・メッシ
クラシコの舞台で2ゴールを奪ったリオネル・メッシ【写真:Getty Images】

 サイクルの終わりは、例外なく訪れる。監督、中心的選手が3年、4年と変わらず共にし続ければ、チームの戦い方に変化を生むことが難しく、対戦相手も十分な分析材料を持つことから対策も打ちやすくなる。

 その対抗策は、大きく2つに分けられる。監督を代えるか、選手を入れ替えるか。多くのチームは主力を複数入れ替えるほどの金銭的余裕はなく、監督を代えることを選択する。

 マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督やアーセナルのヴェンゲル監督など、1人の指揮官が長期に渡って指揮をとるチームは、選手を入れ替えることで新たなサイクルを生み出すが、これはごく稀なパターンといえる。

 2014年8月から3シーズン、ルイス・エンリケ監督が指揮を執るバルセロナもまた、サイクルの終わりを迎えている。就任1年目の14/15シーズンにはリーグ、カップ、CLの3冠に輝き、2年目にはCLは敗退もリーグとカップを連覇、そして3年目の今季はCLで敗退し、リーグでも取りこぼしのような試合が増え、2位にとどまっている。

 その中で迎えた宿敵レアル・マドリーとのアウェイ戦。相手は昨季途中から就任したジネディーヌ・ジダン監督の2年目。連覇を狙うCLでは、バイエルンという強敵を破り4強進出。リーグでも1試合消化の少ない中で首位に立つ、サイクルのど真ん中にいるチームといえる。

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