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Jリーグ 7年前

清水、チアゴ・アウベスの救済。通算2万得点写真狙うも…逆サイドで決まっていくゴール【カメラマンの視点】

シリーズ:カメラマンの視点 text by 松岡健三郎 photo by Kenzaburo Matsuoka

中村憲剛がゴール! 「ジャスティス」を披露

 ただ、これが20000ゴールかは現場ではすぐに把握できなかった。同時刻にキックオフしたG大阪-大宮の試合があったからだ。ハーフタイムに確認すると、G大阪の先制点を決めた井手口陽介のゴールが、金子より2分遅かった。記念ゴールの現場には立ち会えた、というわけだ。

 比較的早い時間に記念ゴールが決まり、しかもいい写真が撮れなかったため、モチベーションが下がってしまったが、清水のホームユニフォームを撮影する方向に切り替えて、その後も同じ場所で、押し込み続ける川崎の攻撃を撮った。前半は0-1で清水がリードしたまま終わり、試合内容的には両者とも狙い通りのサッカーとなった。

 後半に入ると川崎はタイプの違う選手で試合を動かした。前半、最もボールタッチし、パスも多かったエドゥアルド・ネットに替えて、森谷賢太郎を同じボランチに入れたのだ。

 エドゥアルド・ネットは足元で受けて、その場でボールを散らすタイプ。森谷は広い視野と、自らボールを運ぶドリブルができるタイプ。その動きに連動することで、後半は昨年の川崎のスタイルにより近づいた。前半はしぶとく守っていた清水DFだったが、隙をつかれて、62分に阿部浩之に決められ同点。川崎はさらに勢いに乗った。

 私はというと、後半は清水の攻撃を撮影して、後半15~20分になったら、清水の守備が息切れしてくると読み、そのタイミングで川崎の攻撃側に移動しようとしていた。

 だから阿部のゴールは再び逆サイド。いいタイミングで移動しようと思い、この後のワンプレーで……と思ったところ、73分に中村憲剛がゴール。私の読みは当たったが、肝心なポジショニングが違った。3点すべて逆サイド。全くいい写真がない。

 移動していれば、中村のゴールパフォーマンス「ジャスティス!」を確実に抑えられたのに。結果はこれだ。

中村憲剛のゴールパフォーマンスは遠距離からの写真に
中村憲剛のゴールパフォーマンスは遠距離からの写真に【写真:松岡健三郎】

 カメラマンに被る残念すぎる写真となった。

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