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Jリーグ 7年前

柏・細貝萌がもたらす「勝利の方程式」。7季ぶりのJ復帰、レイソルでの新しい挑戦

text by 藤江直人 photo by Getty Images

レイソルのファンだったサッカー少年時代

 中盤の底でハードワークを繰り返して相手の攻撃の芽を摘み、ボールホルダーに激しくプレッシャーをかけ続ける。レイソルの5位浮上に、少なからず貢献している実感があるのだろう。一方でYBCルヴァンカップでは大宮アルディージャ戦、ジュビロ磐田戦と2試合続けて先発フル出場を果たしている。

「ルヴァンカップの大宮戦が、練習試合を含めて本当に6ヶ月ぶりくらいの90分間出場だったので。自分としては試合数を少しずつこなしていくことが重要なので、いまの状況に対して焦りとかはないですね」

 ブンデスリーガの強豪レバークーゼンへ完全移籍し、武者修行として当時2部のアウグスブルクへ期限付き移籍したのが2010年12月。主力を担ってチームの1部昇格に貢献し、2012‐13シーズンからは満を持してレバークーゼンへ復帰したが、確固たる居場所を築きあげるには至らなかった。

 翌2013‐14シーズンからはヘルタ・ベルリンへ新天地を求め、2015年8月にはトルコのブルサスポルへ期限付き移籍。昨夏にシュトゥットガルトへ完全移籍し、浅野拓磨とチームメイトになったが、右太ももの肉離れや右足小指の骨折などもあって出場機会を得られない状況が続いていた。

 何よりもアウグスブルクで出会い、ヘルタ・ベルリンでも師事し、シュトゥットガルトでも再び巡り合ったヨス・ルフカイ監督が、シーズン開幕直後の昨年9月に電撃辞任。若返りが進められたその後のチーム内に居場所はないと、6月に31歳になる細貝は感じるようになったのかもしれない。

 ヨーロッパのシーズンが終盤戦にさしかかったころに、レイソルからオファーを受けた。細貝の地元・群馬県の先輩で、現在は千葉県内で指導者を務める大野敏隆氏が「10番」を背負って活躍していたこともあって、サッカー少年時代はレイソルのファンだった。

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