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日本代表 7年前

【U20】堂安の躍動を引き出した2人との友情。“相棒”と“盟友”、ピッチ上で結実した思い

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「あいつの分まで俺が点を獲る」。堂安の決意

小川
堂安律(左)は途中離脱が決まった小川航基(右)のために戦うと誓ってイタリア戦のピッチに立った【写真:Getty Images】

 イタリア戦で堂安が見せたプレーには鬼気迫るものがあった。ハイライト映像に採用されるような場面には、必ずと言っていいほど背番号7が絡んでいる。

「前半の立ち上がりが悪すぎて、自分の中で正直焦ったところがあった。何とか自分が気持ちを見せるというか、『俺はやってんねんぞ』ってところを見せればチームが少し変わるかなと思ったんで、ムリなところでも多少仕掛けにいきましたし、そういうところは意識して、そこからプレーは変えました」

 右サイドでの仕掛けのみならず、中央よりに入って攻撃の組み立てに絡み、自らフィニッシュする。イタリア戦の堂安は、とにかく異次元のプレーを見せていた。結果グループステージ3試合で3ゴールを挙げ、ベネズエラのFWセルヒオ・コルドバ(4ゴール)に次ぐ得点ランキング2位タイにつけている。

「ここまでできるとは正直思っていなかったですけど、(小川)航基がいないんで、点を獲る選手が少しいないんで、あいつの分まで俺が点を獲るって思って今日はピッチに立った。得点を意識してやっていきたいです」

 前半に奪った1ゴール目も「自分に今までなかったプレー」で、大会の中で成長した姿を見せている。堂安は「夢中やったっすね。後半なんかは楽しくて仕方なかった。でもその中でも冷静やったし、球離れも速かったんで、あれがちょっと続けばいい」と、乗りに乗っている。

 “相棒”と“盟友”からのメッセージを受け取った日本の背番号7は、日々輝きを増している。堂安律という名前は、イタリア戦の2ゴールで世界に轟いただろう。決勝トーナメントではどんなプレーを見せてくれるだろうか。きっと我々の想像を超える歓喜を体感させてくれるはずだ。

(取材・文:舩木渉【天安】)

【了】

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