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日本代表 7年前

久保裕也が描く劇的な成長曲線。ハリルJの柱へ、今求められる万能ゴールゲッターへの進化

text by 元川悦子 photo by Getty Images

縦横無尽に走れるアタッカーを目指して

「ハリルさんの求めてるサイドはホントのアタッカーじゃないですか。(久保)裕也とか(原口)元気(ヘルタ・ベルリン)とかガッツリ前に行くタイプだと思う」と今回落選の憂き目に遭った清武弘嗣(C大阪)も語っていたが、久保はまさにハリルホジッチ監督好みの選手。

 だからこそ、ボスニア人指揮官は攻守にわたってより多くのアップダウンを求めている。左サイドの原口がその仕事を献身的にこなして最終予選前半戦のエースに躍り出たように、右の久保もそれを上回るほどのレベルを目指すべきだろう。

 その覚悟は久保本人の中にもあるようだ。

「(ハリルホジッチ)監督からは『もっと上下運動ができるようなトレーニングをしたり、この合宿でやるような練習をやっていけ』と言われました。代表はチームよりも上下運動がすごく求められる。ゴールに入っていく回数を増やすことは監督にすごく言われますし、こっちの方が守備も要求されます。ベルギーでは当たりとかのフィジカル強化をやってますけど、これからはいろんなことを考えて取り組んでいきたい」と縦横無尽に走れるアタッカーを目指して、進化を続けていくつもりだ。

 さしあたって、6月の日本代表2連戦でその大きな一歩を踏み出すことができ、日本もイラクに勝ってロシア行きに王手をかけられれば最高だ。久保はそのけん引役にならなければいけない。UAE戦で見せたような電光石火のゴール、そして味方の攻撃をお膳立てするパスやドリブルをテヘランの地でも発揮すれば、彼は真のエースにより一層近づいていく。

 今夏の移籍市場でイングランド、ドイツなどの主要リーグへのステップアップを思い描くのであれば、代表で明確な結果を残すことは必要不可欠。この1年で劇的な成長曲線を描いている久保ならば、全てハードルを超えられそうな雰囲気が漂う。それを現実にすべく、今回の合宿を日々、大事にして、走力強化とフィジカルコンディション向上に努めてほしいものだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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