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日本代表 7年前

本田圭佑は再び輝けるか。ハリルJ生き残りのための3条件、岐路に立つ金狼が進むべき道

text by 元川悦子 photo by Getty Images

日本代表での定位置奪回。本田に課された使命

 今季2度目のドイツ挑戦に踏み切り、アウクスブルクの扉を叩きながらブンデスリーガ11試合出場無得点に終わった宇佐美貴史も「別に調子は下がっていないけど、クラブで試合に出てないから、(ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も)代えづらさ、選びづらさがある状態だと思います」と苦渋の表情を浮かべていた。クラブでコンスタントに試合に出ていなければ、即座に代表での地位は低下する。それが現実なのだ。

「自分が面白くて刺激的で行きたいと思えるクラブがあるかどうかがものすごく重要」と本田はいかにも彼らしい判断基準を口にした。が、自身3度目のW杯となる2018年ロシア大会でブラジルの雪辱を果たそうと思うなら、移籍先のクラブでの出番の有無や、サッカーが自分のスタイルに合うかどうかを優先すべきだろう。

 人生を左右する重大決断を下す前に、本田は6月の2連戦で久保と右サイドのポジションを争わなければならない。今季欧州2クラブでリーグ・カップ戦含めて20得点以上を挙げた久保は矢のようにゴールに突き進む点取り屋。デュエルからのカウンターを信条とするハリルホジッチ監督にしてみれば、最も使いやすいサイドアタッカーかもしれない。本田に同じ動きはできないため、違った良さを表現して存在価値をアピールするしかない。

 そのヒントになりそうな話を、酒井宏樹(マルセイユ)が次のようにしてくれた。

「(久保)裕也はフィニッシュの精度が高いですし、右左両足(でシュートを)打てるところがストロングポイント。彼の得点能力は日本代表にとって必要なので、そこにより集中させられるように守備の負担を減らしてあげることが僕の仕事かなと思います。圭佑くんの方は絶対的存在ですし、あそこにボールが集まるし、みんなそこに信頼を寄せています。ただ、1人で突破するタイプではないので、裕也の時よりはちょっと(自分が)高めの位置をとってサポートしたりとか、(圭佑くんが)中に行きやすいポジショニングをとるようにしています」

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