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日本代表 7年前

本田がハリルJの“救世主”か。負傷者続出…深刻な人材不足を解決する強烈な個性

text by 元川悦子 photo by Getty Images

中盤の最適な組み合わせとは。本田の起用が解決策か

 中盤の停滞を回避するためにも、4-3-3を継続する方がベターかもしれない。シリア戦の後半を見ると、アンカー・井手口の前に本田圭佑(ミラン)と倉田秋(G大阪)がインサイドハーフで並んだ三角形はまずまず機能した。

 井手口は「中東には体が強い選手が多いので、まだまだ詰めていかないといけないという甘さを感じた。もっと詰めてボールを奪えるようにしたい」と課題を口にしたが、ガンバの先輩・宇佐美が「素早くボールを奪いにいくところが(井手口)陽介のよさ。それをしっかり出せていた」と前向きに話していて、初キャップにしては十分戦えていた印象だった。

 接近戦に絶対的な強さを発揮する山口以上に鋭い寄せを見せていたシーンも見られただけに、21歳の若きダイナモをこのままイラク戦で先発起用するというのも1つのアイディアかもしれない。

 その前に本田と今野、あるいは倉田をインサイドハーフとして配置すれば、シリア戦後半のいい流れを持続できそうだ。本田の右インサイドハーフ効果については多くの選手が認めていた点。長友もこんな話をしていた。

「4-3-3はUAE戦で初めてやったんで、シリア戦の前半も難しかったし、なかなかいい流れも作れなかった。中盤をいい形で使えないとあのフォーメーションは機能しないんで、特にインサイドハーフのところが肝になってくるかなと感じてます。(本田)圭佑が入れば1人左利きがいるってことで、僕の左サイドにサイドチェンジを出してくれるんで、すごくやりやすくなる。1人だけでも左利きの選手がいることは大きな武器になる」

 これは乾が述べたことと全く同じ。本田からサイドに大きく展開する形があるか否かは左サイドの攻めのバリエーションを大きく左右するのだ。

 これまでハリルホジッチ体制ではずっと右FWで起用されてきた本田だが、彼は指揮官が求める生粋のサイドアタッカーとは異なるタイプの選手だと言える。今回外れている清武弘嗣(C大阪)が「ハリルさんは(久保)裕也(ヘント)とか(原口)元気とかガッツリ前にいくタイプをサイドに置きたがる」と言うように、その傾向は試合を重ねるごとに強まっている。ボールを奪ってからの速い攻めを信条とする指揮官にしてみれば、縦に仕掛けられる駒を数多く持っていたいのも理解できる。

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